車のよくある故障の症状|原因や修理の依頼先について解説

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車のよくある故障の症状|原因や修理の依頼先について解説

突然の車の故障は、ドライバーにとって大きな焦りや不安を引き起こします。しかし、車の走行距離が増えるにつれて、部品の劣化による不具合の発生は避けられません。

この記事では、車のよくある故障の症状についてくわしく説明します。また、急な車両トラブルの原因や修理の依頼先についても紹介します。

車のよくある故障の症状と原因

車のよくある故障の症状はどのようなものがあるかご存知でしょうか。この章では代表的な故障の症状についてご紹介します。症状を見逃すとさらなる故障につながる恐れがあります。故障か判断に迷う場合や、原因を突き止められず不安な方は参考にしてください。

エンジン始動のトラブル

エンジンの始動時によくあるトラブルは、エンジンがかからない、かかりが悪いといった症状です。これらの不具合が発生する原因は以下の通りです。

  1. ガス欠
  2. バッテリーのトラブル
  3. 電気系統のトラブル
  4. セルモーターまたはオルタネーターの不具合
  5. 接触不良
  6. 低温によるトラブル

違和感を感じた場合はすぐに確認を実施してください。万が一、路上や駐車場でエンジン始動時のトラブルが発生した場合は、自身や周囲の安全のため専門業者に依頼し、レッカー移動を実施してもらいましょう。

エンジンの振動のトラブル

普段よりもエンジンの振動が大きい場合、振動要因としていくつかの原因が考えられます。まず最初に考えられる原因はエンジンマウントの劣化です。エンジンマウントはエンジンを支えるパーツで、振動を吸収する役割を担っています。このパーツの劣化により、振動が車両本体に伝わりやすくなり、運転中に感じる振動が増加します。

次に、イグニッションコイルの劣化、スパークプラグの摩耗です。これらのパーツの摩耗・劣化により、振動が大きくなっている可能性があります。

普段より振動が大きいと感じた場合は故障が進行する可能性があるため、放置せず早急に修理依頼をしてください。

エンジンが突然止まる

エンジンが突然止まる故障は、事故につながりかねません。原因として、燃料系の問題や、点火系の問題があります。

燃料系の問題では、最も基本的な原因としてガソリン不足です。燃料メーターを確認してみましょう。点火系の問題の場合は、車のコンピューターに不具合があると、燃料にうまく着火することができず、結果としてエンジンが停止することがあります。

そのほかにもエンジンが突然止まるトラブルには、さまざまな要因が関係しているため、原因を特定するには細かい点検が必要です。

アイドリング時にエンジンが止まりそうになる

車のアイドリングとは、車のエンジンがかかった状態で空ぶかしをしている状態のことです。アイドリング中にエンジンが止まりそうになる症状では、以下のような原因が考えられます。

  • スロットルボディが汚れている
  • 点火プラグ不良
  • イグニッションコイルの故障

不安定なアイドリングの症状が出ると、エンストが起こる可能性があります。特に、走行中のエンストは非常に危険です。アイドリング中に違和感を感じたら、車の専門店に点検を依頼しましょう。

アクセルを踏んでも加速しない

車のアクセルは、加速や速度を調整するために踏むペダルのことです。アクセルを踏んでも反応が鈍い場合は、エンジン内部にある点火装置の不具合が考えられます。例えば、イグニッションコイルやスパークプラグの劣化は、点火が不十分になり、パワーが出にくくなります。この場合は、点火系や混合気・圧縮の状態を確認することが必要です。

ただし、これらのパーツが原因によるもの以外にもさまざまな原因が考えられます。自己判断せずに、専門店に点検の依頼をしてください。

異音がする

車から異音がする場合は、その音の種類や発生状況によって原因はさまざまです。車からの異音は、車のどこかが故障しているか、または部品が劣化していることにより音を発生している可能性があります。

まずはドライバーの安全を確保した上で、車の内外観や警告灯、車の下に何かが漏れたようなシミや水たまりなどがないかを確認し、異常の有無をチェックしてみましょう。

【エンジンルームからの異音】
車のボンネットを開けたところに見える部分がエンジンルームです。エンジンルームからの異音には、さまざまな種類があり、ここでは具体的な音と原因についてご紹介します。

  • 「キュルキュル」・・・ファンベルトの劣化
  • 「ガラガラ」・・・ウォーターポンプの故障の可能性
  • 「ヒューン」・・・オルタネータの故障の可能性

上記のようなエンジンルームからの異音は、放置しているとエンジンにさらに負荷がかかり、故障が進行する恐れがあります。早めに点検・修理の依頼をしましょう。

【エアコンから異音】
エアコンの異音は、具体的に以下のような音です。

  • 「カラカラ」「キュルキュル」・・・ブロアファンモーターの故障の可能性
  • 「ウォーン」「ガラガラ」・・・コンプレッサーの故障の可能性
  • 「ガラガラ」・・・エアコンガスが減少している可能性

特に、ブロアファンモーターの故障は、夏場になるとエアコンの冷たい風が送られず、車内が高温になり非常に危険です。異音に気が付いたら早めに点検に出しましょう。

【きしみ音】
「キシキシ」「ミシミシ」といった何かがきしんでいるような音が聞こえた場合、車の足回りのパーツが劣化している可能性があります。足回りのパーツとは、タイヤ、サスペンション、ドライブシャフトブーツ、ブレーキなど、タイヤまたはタイヤ周辺の部品のことです。

他にも、ボディ剛性(変形しにくさ)の低下が原因であることも考えられます。特に古い車に発生しやすい不具合です。専門の修理業者などでくわしく点検をしてもらいましょう。

【金属音】
車から出る金属音には、さまざまな種類があります。音別に原因をご紹介します。

  • 「カラカラ」「コトコト」・・・エンジンやその周辺で異常が起きている可能性
  • 「キンキン」「カンカン」・・・冷却水不足によるオーバーヒートが原因の可能性
  • 「ガラガラ」「ゴロゴロ」・・・エンジンオイル不足により、潤滑不足が生じている

不具合の箇所によって対処方法が異なるため、自己判断せず必ず専門業者で対処してもらいましょう。

【ブレーキ鳴き】
ブレーキ鳴きとは、車を減速、または停止させるときにブレーキを踏むと発生する金属音のような音です。ブレーキパッドが摩耗すると、ブレーキ裏側の金属がブレーキディスクに当たり、金属音が発生します。

ブレーキ鳴きは故障ではなく、ブレーキパッドの交換時期のお知らせだと考えられることが多いです。しかし、故障でないからといって、長期間放置することは危険です。早めにブレーキの点検や、ブレーキパッドの交換を依頼しましょう。

【ベルト鳴き】
ベルト鳴きは、車の周囲にも聞こえる大きな音で、「キュルキュル」と鳴くような音であることが特徴です。このような異音は、エンジンに搭載されたファンベルト、パワステベルト、エアコンベルトなどの劣化・損傷が原因だと考えられます。特にファンベルトはゴム製であるため、経年により劣化や硬化が進みます。

ベルト鳴きを放置すると、最悪の場合ベルトが断裂してしまう可能性があるため、専門業者での点検・交換をしてもらいましょう。

排気ガスのトラブル

車の排気ガスは、通常エンジンから発生し、マフラーを通って車外へ排出されます。排気ガスのにおいや色がいつもと違う場合は、故障のサインかもしれません。

排気ガスのにおいが明らかにいつもと違う場合は、エンジン内部の異常の可能性があります。また、白色や黒色、青色の排気ガスが見られたりした場合は、エンジンオイルや排気系統に何らかの不具合があるかもしれません。早急に専門業者に点検をしてもらいましょう。

ボンネットから白煙が出る

ボンネットから白煙が出る場合は、エンジンに何らかのトラブルが起きている可能性があります。例えば、冷却水やエンジンオイル漏れが起きているかもしれません。冷却水やオイルが漏れ、高温のマフラーにかかると、蒸気となり煙のように見えることがあります。

この他にも、車両火災により内部が焼けている可能性もあるため、早急な点検と修理が必要です。

タイヤのパンク

車のタイヤは使用状況によって劣化のスピードは異なりますが、基本的には時間と共に劣化します。タイヤのパンクの主な原因は、異物が刺さって穴が開くことや、タイヤの劣化によるものです。タイヤのゴムが摩耗して硬くなっていたり、ひび割れが見られたりした場合は、走行中に破裂するリスクが高まります。

タイヤの適切な空気圧は、パンクのリスクを減らすことができます。安全に走行するために、定期的にガソリンスタンドなどで空気圧をチェックしましょう。

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車の故障修理の主な依頼先

車が故障した場合や不具合が発生した場合は、自動車整備工場やディーラーに修理を依頼することができます。車の不具合において、自分でできる対処法はウォッシャー液やワイパーゴムの交換程度です。それ以外の症状については、車のプロに任せると安心、安全です。

ここでは、修理依頼先の特徴についてくわしく解説します。

自動車整備工場

自動車整備工場は、修理費用を抑えつつ、車種を問わず点検・修理をしてくれる点がメリットです。生産が終了しているパーツが必要な場合も、同じ働きをするパーツを見つけて提案するなど、柔軟な対応をしてくれることが多いでしょう。

ただし、自動車整備工場は、店舗によって専門知識にバラつきがあることや、部品調達までに時間を要する可能性がある点がデメリットとして挙げられます。修理金額や修理期間に不安のある方は、事前に問い合わせておくと安心です。

ディーラー

ディーラーは特定の自動車メーカーに特化した修理先です。メーカーの純正品を使用するなど、メーカーが定めた基準に則って修理やメンテナンスを実施します。

品質やサービスに安心感がある一方で、純正パーツを用いた修理を実施するため、修理費用は自動車整備工場よりも高くなることがあります。安心感を求める場合はディーラーを選び、費用を重視する方であれば、他の修理先を選ぶのも選択肢のひとつかもしれません。

まとめ

車は日常生活に欠かせないものです。しかし、車の故障はいつ起こるか予測ができません。日頃から注意深く観察し、定期的な点検やメンテナンスを実施して、少しでも故障のリスクを減らしましょう。

もしも故障の兆候が見られた場合は、早めに専門業者に依頼することをおすすめします。安全で快適なカーライフを送りましょう。

執筆年月日:2024年11月

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