車検に必要な書類を準備しよう|ポイントや車検の流れを紹介
数年に一回ある車検には、どんな書類が必要か思い出せないことも多いのではないでしょうか?車検に必要な書類は、車検を受ける方法によって異なります。直前になって慌てないよう、車検に必要な書類が何か把握しておきましょう。
この記事では、車検に必要な書類について解説します。
車検を受ける2つの方法
車検を受ける方法は2つあります。ディーラーやカー用品店などのお店に依頼する方法と、自身で指定された車検場に行って車検を受けるユーザー車検という方法です。
車検の流れや必要な書類は、それぞれの方法で異なります。どのように違うのか確認していきましょう。
お店に依頼する
お店に依頼する場合、電話もしくはインターネットから車検の見積もり依頼ができます。実際に車を見てもらい、見積もり内容を確認してからどこのお店に依頼するか決めましょう。
車検は、有効期間の1ヶ月前から受けられます。依頼するお店が決まったら、車検を予約してください。予約当日は、車を持っていくのと合わせて、必要書類を持参しましょう。なお、2025年4月からは、有効期間の2ヶ月前から受けられるようになります。
車検を依頼している間にも車が必要な場合、お店によっては代車も依頼できます。代車が必要な場合は、予約する段階で合わせて依頼しましょう。
ユーザー車検
ユーザー車検とは、普通車は運輸支局、軽自動車は軽自動車検査協会へ、ユーザー自身が車を直接持ち込み車検を行う方法です。お店に車検を依頼すると依頼手数料が発生しますが、ユーザー車検は手数料を支払わずに済みます。
ただし、車検場に車を持ち込むにはそれなりの時間がかかり、車検に関わる専門的な知識もある程度必要です。必要な書類もお店に依頼するより多く、手続きに労力がかかるため注意してください。
予約方法は車の種類によって異なります。普通車はインターネットのみ、軽自動車はインターネットと電話で予約可能です。ユーザー車検の車検場は平日の日中しか開いていないため、あらかじめ予定を立ててから予約しましょう。
【お店に依頼する場合】車検に必要な書類・持ち物
お店に車検を依頼する場合、必要な書類は2つあります。自動車検査証(車検証)と自賠責保険証明書です。必要に応じて、自動車税納税証明書や身分証明書、印鑑も持参しましょう。
お店に依頼する場合に必要な、書類と持ち物について解説します。
自動車検査証
自動車検査証は一般的に自動車車検証と呼ばれ、車が車検で保安基準に適合したことを証明する書類です。氏名や住所などの所有者の情報や、車台番号や車検の有効期限など、車の情報が記載されています。
自動車を使用する際は、必ず車内に置いておくことが義務付けられているため、忘れずに車内に置いておくようにしましょう。車検をすれば自動車検査証は新しく更新されます。
もし紛失している場合は、再発行する必要があります。再発行手続きは、普通自動車は最寄りの運輸支局もしくは自動車登録事務所、軽自動車は軽自動車協会の事務所で可能です。身分証明書と手数料印紙代(350円)を持参して、再発行を依頼してください。
自動車損害賠償責任保険証明書
自動車損害賠償責任保険証明書は、一般的に自賠責保険証明書と呼ばれる自賠責保険の保険証です。車を所持する際、全員に自賠責保険への加入が義務付けられているため、加入していることを証明しなければなりません。
お店に車検を依頼する場合は、車検時に更新されます。車検証と同様、車を使用するときは車内での保管が義務付けられています。そのため、車検証と一緒に車内で保管していることがほとんどです。
万が一有効期限が切れていた場合、車を使用すると免許停止や罰金・懲罰などの罰則に処されます。有効期限は、車検を受ける前にあらかじめ確認しておきましょう。
自動車税納税証明書
自動車税納(種別割)納税証明書は、自動車税の納付を証明する書類です。一般的に自動車納税証明書と言われています。軽自動車の場合は、軽自動車税(種別割)納税証明書という名称で発行されています。自動車税納付書で自動車税を納付した後にもらう、受領印が入った右側の半券が納税証明書として利用できます。
納税証明は普通車は2015年度、軽自動車は2023年度より電子記録に変更され、二回目以降の車検時には提出が不要になりました。ただし、車検日が納付してから1週間以内、もしくは直近にキャッシュレスで納付した場合はデータが反映されていない可能性があります。その場合は、紙の証明書を用意しておくと安心です。
身分証明書や印鑑
車検をお店に依頼する際、本人確認で身分証の提示を求められるケースがあります。認印を求められる場合もあるため、印鑑も持参してください。
印鑑は実印でなくても、認印で問題ありません。車検を依頼するお店に、印鑑は必要か事前に確認しておくといいでしょう。場合によっては、サインで済むこともあります。
以前は継続検査申告書に押印が必要でしたが、2021年1月1日から押印は不要になりました。書類に関して印鑑は不要ですが、お店との手続きで必要な場合があるため、念の為持参しましょう。
その他の必要書類
その他に必要な可能性のある書類は、以下のとおりです。
- 委任状
車の所有者本人ではなく代理人が車検に行く場合でも、基本的に委任状は必要ありません。ただし、依頼したお店から求められる場合や車検時に内容変更がある場合は必要です。
- 任意保険の保険証券
一般的に、任意保険の保険証券は提示不要です。しかし、お店によっては車検中に代車で事故が起きる場合を想定し、保険内容の確認で提示を求められるケースがあります。
代車で事故を起こした場合、お店が保険に未加入であれば修理費用は原則自己負担です。任意保険の他者運転特約に加入していれば、保険で代車の修理費用を補填できます。
【ユーザー車検の場合】車検に必要な書類・持ち物
ユーザー車検の場合も、お店に依頼する場合と同じく、以下の書類が必要です。
- 自動車検査証
- 自動車税納税証明書
- 自動車損害陪席責任保険証明書
これらに加えて、追加で必要な書類が4つあります。詳しく見ていきましょう。
ユーザー車検の場合のみ必要な物
ユーザー車検の場合のみ必要な書類は、自動車重量税納付書、自動車検査票、定期点検整備記録簿、継続検査申告書の4つです。それぞれの書類について解説します。
【自動車重量税納付書】
自動車重量税納付書は、自動車重量税を収めたことを証明する書類です。自動車重量税は1年ごとにかかりますが、毎年納付するものではなく、車検時に一括して納付するものです。
自分で書類を用意する必要はなく、車検当日に配布されます。書類に必要事項を記載して、自動車重量税印紙販売窓口で車種に応じた金額の印紙を購入し、自動車重量税納付書に貼って申請します。キャッシュレスで支払った場合は、印紙の添付は必要ありません。
【自動車検査票】
自動車検査票は、検査項目ごとの合否を記録し、保安基準の適合を証明するための書類です。自動車検査表も車検当日に用紙が配布されるため、事前に用意する必要はありません。
すべての検査項目に合格した場合のみ、総合判定窓口で合格印が押されます。提出時は、検査手数料分の印紙を貼り提出します。もし保安基準に適合しない箇所があった場合、その内容も記載されますが、2週間以内に整備すればその箇所のみ再検査が可能です。
【定期点検整備記録簿】
定期点検整備記録簿は、車検で検査する56項目の点検・整備の経歴を記した書類です。車の状態を確認するときに使用します。定期点検整備記録簿があれば、過去の点検整備の確認や、消耗部品の交換時期の見極めが可能です。
定期点検整備記録簿は車内に所持し、3ヶ月・6ヶ月点検対象者は1年、1年点検対象者は2年保存しておく必要があります。車を長く使用するためには、点検整備記録簿を長期間保存しておくと、車の点検・整備に活用できます。
【継続検査申請書】
継続検査申請書は、車検証を発行するための書類です。車検終了後に運輸支局または軽自動車検査協会で継続検査申告書を提出すると、車検証が発行されます。
継続検査申告書は、車検当日に窓口でもらえます。国土交通省や軽自動車検査協会のホームページからもダウンロードできますが、印刷時の制約があり、家庭用のインクジェットプリンターでは印刷できません。自宅で印刷する場合は、注意事項をしっかりと確認して印刷しましょう。
車検にかかる費用について
車検では、法定費用と車検基本料がかかります。法定費用は自動車重量税・自賠責保険料・検査手数料が該当し、車の重量や使用年数で多少の変動はありますが、どこに依頼しても価格はそこまで変わりません。
車検基本料は、点検費用や代行手数料が該当し、依頼するお店や修理・整備内容で料金が変動します。車検で整備や修理が必要な部分が出てくることもあるため、事前に見積もりを依頼してある程度の金額を把握しましょう。
依頼するお店によっても、金額は異なります。いくつかのお店に見積もりを依頼して検討しましょう。
車検の出費を抑える方法
車検の出費を抑えるには、ユーザー車検を行うか、依頼するお店を見定める必要があります。ユーザー車検で行う場合は、代行手数料がかからない分、車検基本料は安く済みます。ただし、お店に依頼するよりも手間と時間がかかる点には注意してください。
お店に依頼する場合は、見積もりを依頼してしっかり比較しましょう。車検に対応しているお店は、ディーラー、カー用品店、ガソリンスタンドなどです。
ディーラーは、部品交換に純正品を使用することが多く金額は高めです。カー用品店は多数の部品から適したものを選べるため、費用を抑えつつ質の高い車検が期待できます。ガソリンスタンドも費用を抑えられますが、代車の用意や特殊な整備などが難しい部分もあります。
それぞれのメリット・デメリットを考慮し、見積もり依頼して比較しながら検討しましょう。
まとめ
車検に必要な書類は、まとめておくとすぐに用意できます。車に乗せておかなければならない書類もあるため、一緒に置いておくと安心です。
ユーザー車検の場合は追加で必要な書類もありますが、すべて車検当日にもらえます。事前に必要な書類をしっかり確認して、滞りなく車検当日を迎えられるようにしましょう。
執筆年月日:2024年11月
※内容は2024年11月時点の情報です。法律や制度は改正する場合があります。