車の傷消しは自分でできる?方法や修理費用について解説

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車の傷消しは自分でできる?方法や修理費用について解説

車に傷が付いてしまった場合、業者へ修理依頼をする人は多いでしょう。しかし、傷の程度によっては自分で行うことも可能です。ただし、注意点を守らないと失敗してしまったり、さらに状況を悪化させてしまったりするリスクも潜んでいます。

今回は、自分でできる車の傷消しの方法や、業者への依頼費用を抑える方法などを解説します。

車の傷消しを行う場合の2つの選択肢

車の傷消しを行う場合の選択肢は、「自分で行う」方法と「専門業者に依頼する」方法があります。それぞれの方法についてくわしく紹介します。

自分で傷消しを行う

車の傷消しを自分で行う場合は、市販のアイテムを活用します。アイテムは大体500〜2,000円程度で市販されているため、業者に依頼するよりも大幅なコストカットが期待できます。

また、業者に電話したり、日程調整を行ったりする手間も省けるでしょう。アイテムさえ準備していれば、自分のタイミングで手軽に修理が可能です。

専門業者に依頼する

愛車の外見にこだわっていたり、大きな傷ができたりした場合は、専門業者への依頼がおすすめです。どのレベルでも、時間をかけずきれいに修理できます。特に、塗装の下地部分がむき出しになっている傷や、大きなへこみや歪みが生じている傷は、自力では対応が難しいため、専門業者に依頼しましょう。

修理を専門とするスタッフが担当するため、失敗のリスクも少ないです。ただし、大きな傷になればなるほど、修理に高い技術力が必要になります。その分、工賃も高くなりやすいことに注意しましょう。

自分で車の傷消しを行う方法

傷の状態や程度によって、使用するアイテムは異なります。ここでは、状況別のアイテム選びや、くわしい手順について紹介します。

浅い擦り傷を消す手順

まず、浅い擦り傷を消す手順について、アイテム別にみていきましょう。

【コンパウンドを使用した傷消しの手順】
コンパウンドとは、ボディ表面の傷を目立ちにくくする研磨アイテムです。浅く軽微な擦り傷の修理に適しています。くわしい手順は、以下のとおりです。

  1. 傷の周りを洗浄する
  2. スポンジにコンパウンドを付け、傷を撫でるように磨く
  3. 最後に、コンパウンドを水で流すかクロスで拭き取る

コンパウンドは、ペースト状、液状など形状はさまざまです。粒子の粗めのものと細かめのものがセットされている商品も多いので、傷の程度によって使い分けることがきれいに仕上げるコツです。

【ワックスを使用した傷消しの手順】
浅い擦り傷には、ワックスも効果的です。磨くだけで傷に成分が入り込み、表面をコーティングしてくれます。傷の修理以外にも、車のツヤを復活させたり、維持したりするために使用している人も多いでしょう。くわしい手順をみていきましょう。

  1. 傷の周りを洗浄する
  2. ワックスをクロスに付け、傷になじませる
  3. 一定時間乾燥させる
  4. 十分に乾いたら、新しいクロスで拭き取る

ただし、ワックスの効果は持続しません。ワックスが薄くなってくると同時に傷も目立ちやすくなってくるため、こまめな塗り直しが必要です。また、研磨剤配合のものは、傷以外の場所も削ってしまう可能性があるため注意が必要です。

【スプレーを使用した傷消しの手順】
スプレーは、広範囲にできた傷の修復に使われることが多いです。均等に塗料を塗布できるため、ムラも抑えられます。よりきれいに仕上げたい場合は、仕上げ用のスプレーを使ってもよいでしょう。スプレーを使用した傷消しは、以下の7つの手順に沿って行います。

  1. 傷の周りを洗浄する
  2. 傷の周りをマスキングする
  3. 油分を除去する
  4. 下地用塗料を吹き付ける
  5. スプレー・ぼかし剤を交互に吹き付ける
  6. 必要であれば仕上げ用スプレーを吹き付ける
  7. 1週間程度乾燥させる

スプレー塗装が完全に乾くまでには1週間程度の期間を要するため、車を使う予定などを確認してから行うようにしましょう。

深い傷を消す方法

次に、深い傷を消す場合の手順をアイテム別に紹介します。

【タッチペンを使用した傷消しの手順】
タッチペンとは、ペン型のアイテムです。狭い範囲の擦り傷、塗装剥がれの修理に適しています。くわしい手順は、以下のとおりです。

  1. 傷の周りを洗浄する
  2. サンドペーパーで表面を滑らかにする
  3. 油分を除去する
  4. 傷の周りをマスキングする
  5. 傷口に点を打つようにタッチペンを塗り、20~30分ほど乾燥させる
  6. 塗り重ねを複数回繰り返し、1週間程度乾燥させる
  7. サンドペーパーで塗料の盛り上がりを削る
  8. コンパウンドで表面を磨く

少し手間はかかりますが、研磨や脱脂などの下地処理を行うことでより自然な仕上がりに近づきます。スプレー同様、乾くまでに1週間程度の期間を要するため、予定の確認をした上で進めることが大切です。

【パテを使用した傷消しの手順】
金属部分までボディがえぐれていたり、へこんだりしている場合は、パテで修理します。パテにはペースト状や粘土状など、さまざまな形状があります。また、薄付け用と厚付け用のものがあるので、傷の深さによって使い分けましょう。くわしい手順を説明します。

  1. 傷の周りを洗浄する
  2. サンドペーパーでへこみ傷を研磨し、塗装を削り落とす
  3. 油分を除去する
  4. へこみを埋めるように厚付けパテを塗り、1時間程度乾燥させる
  5. サンドペーパーでパテを均一に研磨する
  6. 薄付けパテを塗り、再び乾燥させる
  7. サンドペーパーで研磨し、スプレー塗装を行う

パテは少しずつ固まってしまうため、作業は時間との勝負です。他の方法よりも技術を要す作業であるため、初めての人には不向きでしょう。

【シールを使用した傷消しの手順】
深いひっかき傷には、シールを使用するとよいでしょう。傷に貼るだけのため、傷消し初心者の人でも簡単に修理できます。シールを使用して傷消しをする手順は、以下のとおりです。

  1. 傷の周りを洗浄する
  2. ささくれがある場合は、カッターの刃などで切り落とす
  3. 油分を除去する
  4. 傷の大きさに合わせてシールをカットし、貼り付ける

傷部分に油分が残っているとシールがうまく密着しないため、取り除く作業を入念に行うようにしましょう。

自分で車の傷消しを行う場合の注意点

自分で車の傷消しを行う場合には、愛車のボディカラーに合ったアイテム選びを行うことが大切です。スプレーやタッチペンのカラーバリエーションは豊富で、同じ色でもさまざまな種類があります。よく確認しないまま使用してしまい、色が微妙に違ってしまったなんてことにもなりかねません。

また、場合によっては傷がひどくなってしまう可能性もあります。車の傷は、浅く軽微なものからへこみが伴う重度のものとさまざまです。傷の程度が大きくなるにつれて修理の難易度も上がるため、慣れない人が行うと失敗のリスクも上がってしまいます。

状況が悪化してしまい、かえって修理費用が高くついてしまうことも考えられます。自分で修理をするのが難しい人や、仕上がりのクオリティにこだわりたい人は業者に依頼した方が賢明です。

車の擦り傷を修理してくれる専門業者

車の擦り傷の修理は、ディーラーや板金塗装業者、カー用品店・ガソリンスタンドなどに依頼できます。ここでは、各専門業者の特徴について紹介します。

ディーラー

車の擦り傷の修理は、ディーラーに依頼できます。愛車の特性を熟知しているスタッフが担当するため、安心して任せられるでしょう。メーカーが定めた厳しい基準に沿って修理が行われるため、品質の高さも期待できます。その分、他の業者よりも費用は高い傾向にあるでしょう。

板金塗装業者

板金塗装業者は、車の修理を専門に行っている所です。高い技術力、多くの実績を併せ持っており、さまざまなケースに柔軟に対応してくれます。工賃は業者に沿ってバラつきがありますが、ディーラーよりは比較的安いです。ただし、明確な基準が定められておらず、店舗・工場によって技術力に差があります。

カー用品店・ガソリンスタンド

車の修理を行っている大手カー用品店やガソリンスタンドもあります。修理をするかどうか迷っている場合に、買い物や給油のついでに修理の相談をすることが可能です。修理を専門に扱っている業者ではないため、傷の程度によっては受け付けてもらえない可能性もあります。工賃は、ディーラー、板金塗装業者よりも安い傾向です。 

車の擦り傷修理を抑えるポイント

車の修理を業者に依頼する場合は、できるだけ安く行いたいと思う人が多いでしょう。ここでは、修理費用を抑えるポイントをいくつか紹介します。

相見積もりを取る

車の擦り傷修理の工賃は、各業者によって異なる場合があります。少しでも安く修理したい場合は、相見積もりを取るのがおすすめです。複数の費用を比較することで、納得のいく業者を選べるでしょう。ただし、簡単な見積もりは無料でも、くわしい見積もりには手数料を設けている業者もあります。各社に確認した上で見積もりを取るようにしましょう。

車両保険を活用する

一般型の車両保険に加入していると、修理費用を保障してもらえます。車両保険の補償範囲は、自損・他損問いませんが、車両保険を使用すると、等級が下がり、保険料が上がってしまいます。保険料の値上がり分が修理費用を上回った場合、結果として損をしてしまう可能性もあることに留意しましょう。

保証期間を確認する

ディーラーに修理を依頼すると費用は高くなりがちですが、保障に加入しているかどうかでお得に修理が叶えられるかもしれません。車を購入したディーラーに依頼する場合、保証期間内であれば無償または比較的安く修理ができる可能性があります。保証加入の有無や保障内容について、ディーラーに確認してみるとよいでしょう。

まとめ

今回は、車の擦り傷を自分で修理する方法や、できるだけ安く業者に依頼する方法などについて紹介しました。車の擦り傷は市販のアイテムを活用することで、自分で修理できます。ただし、へこみを伴う重度な傷は失敗のリスクも高いため、無理せず業者に依頼しましょう。

執筆年月日:2024年11月

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