ワイパー交換を自分で行う方法|選び方や費用・交換手順について解説

  • 自動車関連
ワイパー交換を自分で行う方法|選び方や費用・交換手順について解説

ワイパーの交換は、視界を確保し安全運転を維持するために欠かせません。劣化したワイパーを放置すると、雨天時の視界が悪化するなど事故のリスクが増大します。この記事では、自分でできる交換方法や費用についてわかりやすく解説します。日頃の運転を安全で快適にするためにも、ぜひ参考にしてください。

ワイパーの交換が必要なサイン

ワイパーに劣化や不具合が生じると、視界の確保が難しくなり安全運転に支障をきたすかもしれません。以下のような症状が見られる場合は、早めのワイパー交換を検討しましょう。

  • 拭き取りにムラがある:ワイパーが劣化すると、フロントガラスの一部が拭き残され、視界が不安定になります。
  • 振動や異音が発生する:ワイパーがガタガタと揺れて異音を発するのは、ゴムやブレードが摩耗しているサインです。 
  • ゴムが変色・劣化している:ゴムの表面が白っぽくなったり、ひび割れや毛羽立ちが見られたりする場合は交換時期です。 
  • にじみが出る:雨水がガラス面に残り、視界がぼやけることがあります。このような場合も交換が必要です。
  • ワイパー本体のサビやガタつき:ワイパーアームやブレードがサビていたり、固定が不安定になっていたりする場合は、ワイパー全体の交換を検討しましょう。

上記のサインを見逃さず、定期的なチェックを欠かさないようにしましょう。

ワイパー交換の適切な頻度

ワイパーは、定期的に交換することで常に良好な視界を確保できます。以下が交換の目安です。

「ワイパーゴム」は、半年〜1年に1回の交換が推奨されます。ワイパーゴムはフロントガラスに直接触れるため劣化が早く、特に直射日光の影響を受けやすいため、屋外駐車の場合は頻繁な確認が必要です。

「ワイパーブレード」は、1〜2年に1回が交換の目安です。ゴムより耐久性は高いものの、稼働により少しずつ劣化します。ゴムと同時に交換するとさらに効果的です。

使用環境によっても劣化スピードは変わるため、定期的に状態をチェックし、交換のタイミングを見極めましょう。

ワイパーの種類と選び方のポイント

ワイパーを選ぶ際は、適切な種類を見極めることが重要です。ワイパーにはいくつかのタイプがあり、使用環境や車種に応じて選ぶ必要があります。ここでは、ワイパーの種類やワイパーゴム、ワイパーブレードなどの選び方についても詳しく解説します。

ワイパーの種類

ワイパーには主に「雨用ワイパー」と「雪用(冬用)ワイパー」の2種類があります。使用環境に応じて適切なタイプを選びましょう。

「雨用ワイパー」は、一般的に使われている標準タイプのワイパーで、ガラス面への追従性が高く、雨の水滴を効果的に拭き取ります。ただし、寒冷地では凍結しやすい点に注意が必要です。また、塩害に弱い素材もあるため、特に海辺に近い地域で使用する場合は定期的な点検が推奨されます。

「雪用(冬用)ワイパー」は、冬季用に設計されたワイパーで、ブレードに凍結防止のカバーがついていることが多く、低温環境でも硬化しにくい素材が使われています。ブレードの強度も高く、雪や氷が積もった状態でもしっかりと動作することが特徴です。また、耐塩害性に優れたステンレス製の部品を使用することも多く、寒冷地での使用に適しています。

以上の点を考慮し、車の使用環境に合ったワイパーを選びましょう。

ワイパーゴムの種類

ワイパーゴムには主に「ノーマル」「グラファイト」「撥水(シリコート)」の3種類があり、ワイパー本体同様、目的や使用環境によって選べます。

「ノーマルタイプ」は、シンプルな作りで、基本的な拭き取り性能を備えたスタンダードなゴムです。一般的な用途に向いており、頻繁にワイパーを交換するドライバーにも適しています。

「グラファイトタイプ」は、ゴム表面にグラファイト(炭素)加工が施されており、ガラス面との摩擦が軽減され、滑りが良いのが特徴です。撥水コーティングが施されたガラス面とも相性が良く、スムーズに拭き取ることができます。静かな操作感や耐久性を求める方におすすめです。

「撥水(シリコート)タイプ」は、ワイパーを作動させることで、ガラス面に撥水コーティングを施し、雨を弾く効果を発揮するタイプです。ワイパーを使うたびにコーティングが強化され、雨天時でも良好な視界が得られます。ガラス面に定期的な撥水処理を行う手間を省きたい方に向いています。

このような特徴を理解し、自分の求める性能に合ったワイパーゴムを選びましょう。

ワイパーブレードの種類

「ワイパーブレード」は、車のフロントやリアのワイパーの一部で、ガラス面に直接接触しゴム部分を使って雨水や汚れを拭き取る役割を担う部品です。ワイパーブレードには大きく分けて「トーナメントワイパー」「デザインワイパー」「フラットワイパー」の3種類があり、それぞれの特性に合わせて選ぶと良いでしょう。

  • トーナメントワイパー(スタンダードタイプ)は、シンプルで一般的な構造のワイパーです。強度があり、曲面が多いガラス面にも安定した拭き取ることができます。標準的な用途での利用に適しており、ワイパーの見た目にこだわらない方にもおすすめです。
  • デザインワイパーは、デザイン性に優れたワイパーで、見た目だけでなく実用性も兼ね備えています。高速走行時における浮き上がりを抑えられるため、安定した拭き取りが可能です。純正装着されるケースも増えており、見た目と性能の両方を求めるドライバーに向いています。
  • フラットワイパー(エアロタイプ)は、空気抵抗を考慮したエアロデザインが特徴で、高速走行時にも浮かずにしっかりとガラス面に密着します。輸入車によく採用されるタイプで、ブレードとゴムが一体化したものが多いため、交換時はブレードごと行う必要がある場合もあります。ワイパーの耐久性や性能を重視する方におすすめです。

車の使用環境に合わせてワイパーブレードを選びましょう。また好みに合ったもの選ぶと、ドライブがより楽しくなるかもしれません。

ワイパーの交換方法ごとの費用相場

ワイパーの交換は、自分で行う方法と専門業者に依頼する方法があり、それぞれにメリットと費用の違いがあります。ここでは、各交換方法の費用相場と、それぞれの特徴についてご紹介します。

ワイパー交換を自分で行う

自分でワイパー交換を行う場合、ワイパーゴムやワイパーブレードを選んで購入することができます。ワイパーゴムやワイパーブレードは1本あたり数百~数千円程度の価格帯が一般的で、全体として費用を抑えられるのがメリットです。初心者でもわかりやすい交換手順の動画や説明書が用意されている製品もあります。

ワイパー交換を専門業者に依頼する

ワイパー交換を専門業者に依頼する場合、カー用品店、ガソリンスタンド、ディーラーのいずれかで対応してもらえます。それぞれサービス内容や費用が異なるため、利用しやすい場所やニーズに合わせて選ぶと良いでしょう。

【カー用品店】
カー用品店では、豊富なワイパーのラインナップから車種に合ったものを選べるため、初心者にも安心です。作業スタッフがいる店舗なら、購入後にその場で交換作業を依頼することもできます。

自分で交換する際に気になる、手の汚れやガラスのひび割れなどのリスクを避けられるのも魅力です。さらに、他のメンテナンス作業と合わせてワイパー交換も依頼できるため、効率的な愛車のケアが可能です。

【ガソリンスタンド】
ガソリンスタンドでもワイパー交換を依頼することが可能です。カー用品店に比べると、取り扱っているワイパーの種類は少ない場合が多いですが、給油と一緒に気軽に依頼できる手軽さが魅力です。在庫がない場合は取り寄せ対応も可能なため、給油のついでに定期的にチェックしてもらうのもおすすめです。

【ディーラー】
ディーラーでもワイパー交換を依頼できます。純正部品を使用するため、車種にぴったり合った製品で交換でき、品質や耐久性に対する安心感が得られるでしょう。また、事前に在庫状況を確認しておけば、スムーズに交換してもらえます。

定期点検や車検とあわせて依頼するのもおすすめです。ただし、他メーカーの車種には対応が難しく、工賃は比較的高めになりがちです。

ワイパーを自分で交換する方法

ワイパーを自分で交換する方法には、ワイパーブレードごと交換する方法と、ワイパーゴムだけを交換する方法の2つの選択肢があります。どちらの方法も、自分で作業することでコストを抑えることができますが、それぞれ手順や必要な道具が異なるため、きちんと確認してから作業に取りかかることが大切です。ここでは、それぞれの方法について、詳しくご紹介します。

ワイパーブレードごと交換する方法

ワイパーブレードを丸ごと交換するのは、ゴムだけを交換する方法より簡単で、初心者にも向いています。

まず、車を安全な場所に停車し、ワイパーアームを立てましょう。このとき、アームが倒れてガラスを傷つけないように、ガラス面に厚手の布やタオルを敷いておくと安心です。

次に、ワイパーブレードをアームから外します。ブレードの付け根部分にはロックがかかっていることが多く、ここを押しながらブレードを引き抜くようにスライドさせて取り外します。取り外す際は、無理に力を加えず、ゆっくり行いましょう。

新しいワイパーブレードを取り付ける際は、まずアームにきちんとはまっているか、U字型の部分に確実に固定されているか確認しましょう。向きが合っているかも確認しながら、ロック部分を確実に押し込んで装着し、最後にワイパーを動かしてしっかり取り付けられているかをチェックして完了です。

ワイパーゴムだけを交換する方法

ワイパーゴムの交換は少し手間がかかりますが、ブレードがまだ使える状態ならゴムだけを交換すればコストを抑えられるでしょう。

まず、ワイパーアームを立てて、ガラスに倒れないように厚めの布などを敷いておきます次に、ブレードを取り外し、平らな場所に置いて作業を行いましょう。ワイパーブレードから古いゴムを取り外す際は、ブレードの先端部分にあるロック穴を確認し、ゴムをゆっくり引き抜きます。ロック部分がある側からゴムを外すとスムーズです。

新しいゴムを取り付ける際は、先にロックがない側からブレードの溝に差し込み、途中でずれないように注意しながら奥までしっかり差し込みます。ワイパーゴムの溝がしっかりはまっているか、ロック部分が固定されているかを確認したら、ブレードをアームに戻します。アームにしっかり取り付けて、ワイパーを動かし、正常に動作することを確認して交換完了です。

まとめ

ワイパー交換は安全運転を支える重要な作業です。交換時期を見極め、ワイパーの種類や「ワイパーゴム」「ワイパーブレード」を適切に選ぶことが大切です。自分で交換することでコストを抑えられ、作業も比較的簡単ですが、自分でできない場合は、カー用品店やガソリンスタンド、ディーラーでの交換も選択肢に入れましょう。使用環境や車種に合った製品を選び、定期的なチェックで安全な視界を保ちましょう。

執筆年月日:2024年11月

記事一覧に戻る