終活とは?やることリスト9選と準備のポイントを紹介
終活は何から手を付けるべきかわからず、なかなか始められない人も多いのではないでしょうか。
やることやポイントを押さえれば、終活を始めるのはそこまで難しくありません。身辺整理や資産計画など労力が必要な内容も、少しずつ着実に進めていけば人生の最期をよりよいものにできます。家族にも相談しながら自分の意思をまとめて、滞りなく老後を迎えられるようにしましょう。
この記事では、終活でやるべきことや準備のポイントなどを解説します。
終活とは
終活とは、人生の最期に向けて、生前の元気な間にあらかじめ必要な準備をする活動のことです。
身辺や財産の整理のみではなく、医療・介護における今後の希望や遺言書作成など、年を重ねてから始めると大変な、人生の最期を迎えるための準備を、早めに対応することを言います。
終活という言葉を見ると悲観的に捉えがちですが、自分自身と向き合い、過去を回想し未来の人生を充実させるための前向きな活動という意味合いも併せ持っています。早めに終活を始め老後の不安や心配が少しでも減らせると、自分の死や生きることを前向きに考えられるようになるでしょう。
終活は、残された時間をより有意義に過ごすために必要かつ重要な活動なのです。
終活を始めるメリット
終活を始めることは、自分自身のみでなく家族にとっても大きなメリットがあります。家族のことも考えて、終活を始めるようにしましょう。
終活を始めることで得られる主なメリット3つをご紹介します。
死に対する不安が解消できる
終活を始めれば、物理的だけでなく精神的にも自分自身の整理がつくため、死に対する不安が解消できます。人生の最期を意識することは、気が滅入るかもしれません。しかし、自分自身が体力も気力もあるうちに終活を始めれば、老後にやらなければいけないことが早期に解決するため、不安を軽減できます。
死に対する不安が少しでも解消すると、残りの人生を前向きに捉えやすくなるため、老後をより有意義に過ごせるでしょう。
遺産相続などのトラブルの防止につながる
終活を早めに始めると、遺産相続などのトラブルの防止にもつながります。
遺産相続のようにお金に関することで争うケースは少なくなく、訴訟にまで発展する場合もあります。自分の死後に家族が争って確執が生まれるのは、避けたいところです。無駄な争いを防ぐためにも、生前から対処しておくようにしましょう。
相続方法や分配方法を決めて、必要であれば遺言書を作成しておけば、余計なトラブルを防止できます。
遺された家族の負担を軽減できる
終活は、遺された家族の負担軽減にもつながります。
人が亡くなったとき、遺された家族は葬儀やお墓の手配を始め遺産相続や遺品整理など、亡くなった直後からたくさんの手続きをしなければなりません。それぞれの手続きにも多くの手順があり、ひとつひとつこなすのも大変です。
また、手続きに必要な情報が不足していると、手続きの完了にさらなる時間や労力を要することになります。終活は、遺された家族が滞りなく手続きを行うための活動でもあるのです。
終活における9つのやることリスト
終活でやるべきことには、具体的にどのような内容があるのでしょうか。あらかじめ何をやるべきか確認してから始めるようにしましょう。
この項目では、終活でやるべきこと9つをご紹介します。
身辺整理を行う
まずは、自分が持っているものを把握して、身辺整理を行いましょう。
長く生きていると、生活必需品のみでなく、趣味のものや思い出としてとりあえず取っておきたいものまで、さまざまなものが積み重なってたまっていきます。
たくさんものが残っていると、遺品整理に時間も手間もかかり、家族への負担が大きくなります。家族へ負担をかけないためにも、体力も判断力もあるうちに整理しておくのがおすすめです。
財産の生前整理と資産の把握
終活では、生前に財産を整理し、資産がどれだけあるかを把握しておくことが重要です。
預貯金はもちろん、株式や保険など財産に関係する内容は何がどのくらいあるのかすべて把握し、必要に応じて整理しておきましょう。
借入金がある、保証人になっているなどマイナスの財産がある場合も、家族が困らないよう、まとめておくと安心です。財産をリスト化した財産目録があると、家族もすぐに把握できるため理想的です。
老後の資金計画を立てる
有意義な老後を過ごすためには、家計の収支を把握し老後の資金計画を立てる必要があります。年金のみで足りない生活費は、自分自身で用意する必要があるため、無駄な出費を把握し、なくしていかなければなりません。
計画を立てた結果、資金が足りないのであれば、仕事で収入を増やしたり、自宅を担保にして借り入れしたりなど、早めに対策を講じることができます。老後になってから困らないよう、資金計画を立てて手堅く資金を蓄えるようにしましょう。
医療や介護の希望をまとめておく
医療や介護についてどのように対処してほしいか、あらかじめ希望をまとめておくと、家族が医療機関や介護施設に伝えてくれます。
大きな病気やケガで意思疎通が難しくなってしまうと、自分自身の意思を伝えられなくなる場合があります。どの病院で治療を受けたいか、延命してほしいかなど、重大な決断を迫られたときに対応してもらえるよう、家族に希望をまとめて伝えておくようにしましょう。
遺言書の作成
死後の財産相続を円滑に行うためには、遺言書の作成がおすすめです。
遺言書があれば、自分の意志に沿った遺産分割が可能なため、親族間のトラブルを防止できます。財産を相続させたい人や希望の金額があるのなら、誰にどのくらい相続させるかを事前に明確にしておきましょう。その上で、法的な効力がある遺言書を作成しておくと安心です。
遺言書は何度も書き直せるため、作成した後も見直しが必要なら修正するようにしてください。
葬儀やお墓の準備
死後の葬儀やお墓についても、希望があるならまとめておきましょう。葬儀は誰を呼ぶか、どのくらいの規模で行うかなどをあらかじめ伝えておくと、心置きなく見送ってもらえます。遺影の写真は、自身がよいと思う写真を使ってほしいなら、事前に撮影し、伝えておくようにしてください。
お墓をどうするかも検討し、意見を伝えておくようにしましょう。ただし、お墓は家族にも関係する内容であるため、よく話し合って決めるようにしてください。
加入サービスの見直し
加入サービスの見直しも、終活において重要な項目です。
クレジットカードや保険など、加入していても使用していないものがあれば、解約も含めて見直しを検討しましょう。特に保険に関しては、解約とまではいかなくても、保証内容が年齢や健康状態に合っていないまま契約しているケースが少なくありません。死後に不明な請求が来て家族を困らせないよう、しっかりと見直してください。
デジタルデータを整理する
デジタルデータを整理するのも、忘れずに行う必要がある終活のひとつです。
スマートフォンやパソコン、インターネット上に保存しているデータなどで、不要なものは削除して整理しておくようにしましょう。必要なデータの場所や、アカウント登録しているサイトのID・パスワードなどは、情報をまとめて家族が見られるようにしておくと安心です。ただし、情報の保管については、悪用されないように十分注意してください。
エンディングノートを作成する
財産や意見などをエンディングノートにまとめておくと、家族が確認に困りません。
エンディングノートとは、自分自身の死後、家族に伝えておきたい希望や伝えておくべき内容をまとめておくノートのことです。書く内容に決まりはありませんが、これまでに紹介した内容を記載しておくと、遺された家族が死後の手続きをしやすくなります。家族や友人へのメッセージもあらかじめ書き留めていれば、しっかりと伝えられるでしょう。
終活の準備をする際のポイント
終活の準備をする際は、急ぎすぎないことが重要です。準備には時間がかかること、また家族も関わる必要があるということを念頭において行っていきましょう。
ここでは、終活の準備をする際のポイントを4つ解説します。
短期間で行おうとしない
終活は短期間で一気に終わらせようとせず、時間をかけてやっていきましょう。
人生の最期に関わる内容であるため、すぐに決断できないことも多く、短期間で行おうとすると本来の意思とは違った選択をしてしまう可能性があります。時間と気持ちにゆとりを持って、じっくりと進めるようにしてください。
手間のかかるところから始める
終活をスムーズに進めるためには、手間のかかるところから始めましょう。
人は年齢を重ねるにつれて、体力・気力・判断力が落ちていきます。手間がかかることは体力も気力も必要で、判断力は特に重要な要素となります。しっかりと判断し行動するためにも、手間のかかるところから手を付けてください。
家族の意見も取り入れる
終活の内容は、家族や親族などの意見も聞いてから決めるようにしましょう。
特に葬儀や相続などの問題は、勝手にひとりで決めてしまうと、遺された家族に迷惑がかかる可能性があります。自身の意思を主張することも大切ですが、家族にもこまめに相談して、意見を取り入れるようにしてください。
専門家に相談することも検討する
終活で悩むことがあれば、専門家に相談するのもひとつの方法です。
相続や葬儀、お墓など、終活で取り組むべき内容のなかには、手続きが複雑になりやすく、専門的な知識が必要なものが少なくありません。自身で解決しない終活の困りごとは、専門家への相談も視野に入れましょう。
まとめ
終活は、人生を見つめ直し、最期をよりよいものにするための準備をする大切な活動です。死への不安を解消して充実した余生を送る手段として利用できるのみならず、遺された家族の負担も軽減できます。
やることはたくさんありますが、しっかりと準備すれば老後は有意義なものにできます。今から準備できることを少しずつ行い、家族の意見も取り入れながら、自分の意思をまとめてください。終活で人生の最期を迎える準備をして、老後を前向きに過ごしましょう。
執筆年月日:2024年10月