スマートフォンの液晶漏れの対処法|放置した場合のリスクや修理についても紹介

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スマートフォンの液晶漏れの対処法|放置した場合のリスクや修理についても紹介

スマートフォンを落としてしまい、画面に絵の具のような黒いシミが入ってしまった経験はありませんか。黒いシミは液晶漏れといい、放置すると本体も故障する可能性がある危険な症状です。液晶漏れが起きたら放置せず、できる対処をした上で修理を依頼しましょう。

この記事では、スマートフォンの液晶漏れの対処法と放置した場合のリスク、修理方法などについて解説します。

スマートフォンの液晶漏れとは

スマートフォンの液晶漏れとは、スマートフォンの画面に現れる黒いシミのことです。黒いシミは、なんらかの衝撃でスマートフォンの画面内部が破損し、液晶画面に含まれている少量の水分が漏れることによって出現します。水を落としたような黒いシミ以外にも、縦に線が入る、紫色に変色するなど、液晶漏れの症状はひとつにとどまりません。

これらの症状が原因でスマートフォンの画面が見えない、もしくは見づらくなる不具合のこと自体を液晶漏れと言う場合もあります。

スマートフォンの液晶漏れが起こる原因

スマートフォンの液晶漏れが起こる原因は、主に3つあります。

【落下】
一番多いのが、スマートフォンを落としたことによるものです。スマートフォンが落下すると、表面の画面が割れるのみでなく、内部の液晶にも強い衝撃を与えるため、液晶漏れが起こりやすくなります。

【圧力】
スマートフォンの画面にかかる圧力も原因のひとつです。スボンのポケットに入れたり、寝るときに自分の体や枕の下にスマートフォンを置いたりすると、毎回スマートフォンに圧力がかかります。知らない間に液晶漏れが起きる可能性もあるため、注意してください。

【バッテリーの膨張】
バッテリーが膨張すると、表面のガラスと液晶パネルが離れるため、液晶漏れが起こりやすくなります。液晶漏れ以外にも危険な症状が出ることの多いバッテリーの膨張は、早めに対処しましょう。

液晶漏れを放置するとどうなるのか

液晶漏れを放置するとどうなるのか、出てくる症状について確認していきましょう。

範囲が広がる

スマートフォンの液晶漏れを放置すると、黒い範囲がどんどん広がっていきます。液晶漏れは、液晶パネル内で漏れている液体が原因で起こる現象です。一度液晶漏れが起こると、漏れた箇所から液体が徐々に広がってしまい、食い止めることは難しいでしょう。

範囲が広がると画面の見える部分が少なくなり、タッチしても反応しなくなるケースもあります。操作が思うようにできず、場合によってはデータのバックアップを取るのも困難です。使用に問題ないからといって放置すると、ゆくゆくはスマートフォン自体が使えなくなる可能性も否定できません。取り返しがつかなくなる前に、少しでも液晶漏れが起こってしまったら早めに対処するようにしましょう。

画面が真っ暗になる

液晶漏れを放置すると、画面が突然真っ暗になることもあります。これは、液晶漏れが液晶の奥にあるバックライトに影響を与えて、故障している可能性があるためです。

バックライトが故障すると、画面は真っ暗になりますが、通知音のような音は鳴ります。画面は表示されているものの、下から画面を照らし出す役割のバックライトが故障しているため、表示が見えづらい状態です。電源を落としたときほど真っ暗になるわけではないため、画面をよく見るとかすかに表示が見える場合は、バックライトの故障が原因だと考えられます。

画面が真っ暗になると操作自体が難しく、データのバックアップが取れません。そのような状態にならないためにも、液晶漏れは放置しないようにしましょう。

スマートフォンが誤作動する

液晶漏れの放置が原因で、誤作動を起こす恐れもあります。スマートフォンを操作するタッチセンサーは液晶よりも外側にあるため、衝撃を受けて液晶漏れが起きると、タッチセンサーも故障してしまうことがほとんどです。

誤作動は、タッチが効かないといったよくある症状から、勝手に意図しない操作が行われてしまうといったトラブルに発展するような症状まで起こる危険性もあります。パスワードのタッチで誤作動が起こってしまうと、スマートフォンを開けないままロックがかかってしまいます。ロックが解除できないなら、最悪の場合は初期化しなければなりません。予期せぬトラブルを防ぐためにも、液晶漏れは放置せずなるべく早めに対処しましょう。

液晶漏れが起きた場合の対処方法

液晶漏れが起きてしまった場合にできる対処方法を3つ、ご紹介します。

画面の保護フィルムを貼り直す

液晶漏れが起きた場合、スマートフォン画面の保護フィルムを貼り直して、さらなる衝撃から守りましょう。スマートフォンにさらに衝撃を与えてしまうと、液晶漏れがより進行してしまう恐れがあります。液晶漏れのみでなく画面割れでも、保護フィルムを貼り直せば割れをさらに広げる心配も少なくなり、自身が触ってケガをすることも防げます。

液晶漏れや画面割れの進行を遅らせる手段として、保護フィルムは有効です。ただし、保護フィルムを貼り直したからといって、根本の問題が解決したわけではありません。液晶漏れは、放置すると進行する不具合です。保護フィルムはあくまで一時的な対応なため、液晶漏れが起きたら早めに修理に出すようにしましょう。

データのバックアップを取る

液晶漏れが起きたら、早めにデータのバックアップを取るようにしてください。症状が進行すると、操作上の不具合が起こり、バックアップが取りにくくなります。大切なデータが消えてしまう可能性も否定できません。データがなくなってから後悔しないためにも、バックアップは早めに取るようにしてください。

バックアップを取るには、クラウドストレージの使用がおすすめです。iPhoneは、「設定」からiCloudにバックアップが取れます。Androidは、Googleアカウントがあれば、Googleドライブにデータを保存できます。液晶漏れ以外でも不具合は突発的に起こり得るため、バックアップは日頃から取っておくようにしましょう。

※iPhoneは、米国および他の国々で登録されたApple Inc.の商標です。
※Android、Google、Google ドライブは、Google LLC の商標です。

修理業者に依頼

スマートフォンに液晶漏れが起きた場合、なるべく早く業者に修理を依頼しましょう。液晶漏れの修理は、ほとんどが画面交換のみで簡単に直ります。画面以外の修理点がない限り、即日で対応してもらえるため、放置せずに修理に出すと、すぐに解決できるでしょう。

画面以外の部分にも影響が出ている場合は、すぐに直らない可能性があります。内部基盤にまで漏れた液体が入ってしまっていると水没と同じ扱いになり、スマートフォンを元の状態まで修理することが困難です。どこまで修理が必要かは、修理業者でないと判断できません。故障箇所をこれ以上増やさないよう、早めに修理業者に見てもらうようにしましょう。

液晶漏れを自力で修理する場合のリスク

自分でスマートフォンの液晶漏れを修理することは、リスクを伴うため、やめたほうがよいでしょう。総務省が認めたショップや修理業者以外がスマートフォンを修理することは、原則禁止されています。

なぜなら、スマートフォンには総務省が推奨する技適マークがついているからです。技適マークは「特定無線設備の技術基準適合証明等のマーク」が正式名称で、電波法に抵触せずに関連の技術基準を満たしていることを認証しているマークです。認められた修理業者以外が修理すると、技適マークは無効になります。無効になったスマートフォンを利用するのは、違法なため注意してください。

最近では、インターネットで検索すれば液晶漏れの修理方法が出てきますが、自分で修理することはおすすめできません。やり方が調べられるからといって、自己判断で修理しないようにしましょう。

また、自力での修理は、作業の過程で別の故障を誘発する可能性もあります。自分で修理してしまうとメーカーの保証もなくなってしまうため、もともとの液晶漏れと、後からの故障を全額実費で修理しなければなりません。発生しうるリスクを考えると、自分で修理するよりも修理業者に依頼したほうが賢明です。スマートフォンの液晶漏れは、自力で修理せず修理業者に依頼するようにしましょう。

スマートフォンの液晶漏れを修理する方法と費用相場

スマートフォンの液晶漏れを修理する方法は3つあります。費用相場と合わせて確認していきましょう。

メーカーに依頼

スマートフォンの液晶漏れの修理は、スマートフォンを製造・販売しているメーカーに依頼が可能です。購入から1年以内であれば保証があり、通常の使用範囲内での故障なら、無償もしくは割引で修理してもらえます。

ただし、落下による液晶漏れは、保証対象外となる場合がほとんどです。そのため、予想外に費用がかかる可能性がある点に注意しましょう。保証対象外でメーカーに依頼する場合の費用相場は、30,000~50,000円程度です。

メーカーへの依頼は、ほとんどの場合スマートフォンのデータが初期化されるため、自身でバックアップを取って復元する必要があります。修理が完了するまでの期間は、1週間程度かかる点にも注意してください。

キャリアショップに依頼

スマートフォンの液晶漏れは、NTTドコモ・au・SoftBankなどのキャリアショップでも修理可能です。キャリアショップの保証サービスに加入している場合は、無料もしくは割引で修理してもらえる可能性があります。ただし、修理が完了するまで1週間ほどかかる場合もあるため注意してください。

キャリアショップに修理依頼する場合の費用相場は、保証サービスに加入していれば3,000~5,000円程度、加入していないなら30,000~60,000円程度です。キャリアショップに依頼する場合もデータは初期化されるため、自身でバックアップを取って復元する必要があります。

※NTTドコモは、日本電信電話株式会社の登録商標です。
※auは、KDDI株式会社の登録商標です。
※SoftBankは、ソフトバンクグループ株式会社の登録商標または商標です。

街の修理業者に依頼

液晶漏れの修理は、街の修理業者に依頼する方法もあります。直接スマートフォンを持ち込めば、その場で修理してもらえるのがメリットです。修理業者は対応が早く、ほとんどが依頼したその日に修理が完了します。

液晶漏れの場合、メーカーやキャリアショップでは保証サービスがあっても保証対象外になることがほとんどです。一方で、修理業者にはメーカーやキャリアショップのような保証サービスはありませんが、修理費用は6,000~20,000円程度とそこまで高くありません。早急に液晶漏れを直したい場合や、できるだけ費用を抑えたい場合におすすめです。

まとめ

スマートフォンの液晶漏れは、放置するとスマートフォン自体が使えなくなる可能性があり大変危険です。できる対処を行った上で、なるべく早めに修理を依頼するようにしてください。修理は、保証サービスと修理スピードで比較して、どこに依頼するか検討するのがおすすめです。起こってしまった液晶漏れは早めに対処して、きれいな画面で快適にスマートフォンを使いましょう。

執筆年月日:2024年10月

※内容は2024年10月時点の情報です。法律や制度は改正する場合があります。

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