洗濯機の捨て方|処分方法について詳しく解説
引っ越しや買い替えで洗濯機の処分を考えているものの、正しい手続き方法がわからず困っていませんか。実は洗濯機は一般の粗大ごみとは異なり、家電リサイクル法に基づいた特別な処分方法が定められています。知識不足のまま処分を依頼すると、無料回収を装った悪徳業者のトラブルに巻き込まれるかもしれません。
この記事では、洗濯機の処分方法と注意点を詳しく解説します。費用や手間がかかりますが、自分に合った手続き方法を見つけて、正しく洗濯機を処分しましょう。
洗濯機は家電リサイクル法の対象製品のひとつ
洗濯機は家電リサイクル法の対象商品に含まれているため、粗大ごみとして処分ができません。処分する際は法律に基づいて手続きを進める必要があり、費用もかかります。違反すると罰せられることもあるため、事前調査が大切です。
家電リサイクル法とは
家電リサイクル法は、家電製品の廃棄物処理に関する法律です。不要な家電製品の適切な処理と、資源の再利用を促進するために、2001年4月に施行され、以下4品目が対象となります。
- エアコン
- テレビ(ブラウン管式、液晶・有機EL・プラズマ式)
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 洗濯機・衣類乾燥機
家電リサイクル法では、製造業者や輸入業者にはリサイクルを、小売業者には廃家電の引き取りと製造業者への引き渡しを義務付けています。また、排出者である消費者や事業者は、リサイクル料金と収集運搬料金の支払いが必要です。
洗濯機を含む上記4品目は、粗大ごみとして捨てると不法投棄となり、法律で罰せられる可能性があります。処分する際には、お店や自治体で洗濯機を収集してもらえるか、自分で確認する必要があります。
洗濯機の処分方法
家電リサイクル法に基づき、費用を払って洗濯機を処分する方法は4種類あります。費用だけでなく、手続き方法の違いにより回収までの手間のかかり方が異なります。
洗濯機を購入した店舗に処分を依頼
まず、比較的簡単なのが洗濯機を購入した店舗に処分を依頼する方法です。リサイクル料金と収集運搬料金を支払うことで、洗濯機の適切な処分が可能となります。
リサイクル料金とは、洗濯機を再利用するために必要な費用で、メーカーや洗濯機の容量によって2,530~3,300円程度となっています。収集運搬料金とは、処分予定の洗濯機を取りに来てもらうための費用です。
※主な家電量販店の料金例です。店舗により対応有無や、料金は異なります。詳細は購入した店舗にご確認ください。
リサイクル料金(円) |
収集運搬料金(円) |
|
---|---|---|
ビックカメラ |
2,530~3,300 |
7,200 |
ヨドバシカメラ |
洗濯機買い替えの場合のみ処分可能 |
|
ヤマダデンキ |
2,530~3,300 |
2,500 |
ケーズデンキ |
2,530 |
2,750(+出張費3,300~) |
エディオン |
2,530 |
2,750 |
ノジマ電気 |
5,830 |
処分を依頼する際は、購入時のレシートや領収書などの控えが必要です。洗濯機の引き取りのみを依頼する場合は、出張費や訪問回収費が加算され、収集運搬料金が高くなる傾向があります。
買い替える際に購入店舗で引き取りを依頼
洗濯機を買い替える際は、購入店舗で古い洗濯機の引き取りを依頼することもできます。リサイクル料金と収集運搬料金が発生しますが、引き取りのみの処分方法と比べると収集運搬料金が安くなるケースが多いです。
※主な家電量販店の料金例です。店舗により対応有無や、料金は異なります。詳細は購入した店舗にご確認ください。
リサイクル料金(円) |
収集運搬料金(円) |
|
---|---|---|
ビックカメラ |
2,530~3,300 |
2,200 |
ヨドバシカメラ |
2,530 |
550 |
ヤマダデンキ |
2,530~3,300 |
2,500 |
ケーズデンキ |
2,530 |
2,750 |
エディオン |
2,530 |
1,650 |
ノジマ電気 |
4,180 |
この方法のメリットは、重い洗濯機を自分で運ぶ必要がなく、新しい洗濯機の購入と同時に処分できることです。一方、デメリットとしては、すべての販売店が対応しているわけではないこと、収集運搬料金に店舗間で差があることが挙げられます。
手間をかけずに洗濯機を処分できる方法ですが、5,000円程度の費用がかかるため、あまりお得ではないかもしれません。事前に各店舗の料金を比較しておきましょう。
自治体(市区町村)が指定する回収業者に依頼
洗濯機の購入店舗が不明であったり、店舗が閉店してしまったりなどの理由で、購入店での処分が困難な場合は、自治体(市区町村)が指定する回収業者に依頼する方法もあります。
自治体に洗濯機の処分を依頼する場合の手順は以下になります。
- 自治体に洗濯機の処分方法を問い合わせる
- 郵便局などで家電リサイクル券を取得し、リサイクル料金を払う
- 家電リサイクル券の控えを洗濯機に貼る
- 自治体が指定する回収業者に収集運搬料金を払い、自宅に回収に来てもらう
メリットは、新しい洗濯機を購入しなくても、古い洗濯機のみを処分できることです。デメリットは、回収までに数日から数週間かかることと、洗濯機を自分で玄関先まで搬出する必要があることです。ほとんどの自治体の指定業者は、屋内からの運び出しを行わず、玄関前からの回収となります。
不用品回収業者に依頼
自治体が洗濯機などの不用品を回収していない場合は、不用品回収業者に洗濯機の処分を依頼しましょう。電話やインターネットで問い合わせれば、自宅まで回収しに来てくれます。
メリットは、最短で即日回収してもらえることと、業者が自宅まで来て取り外しや運び出しを行ってくれることです。重い家電を自力で運ぶ必要はありません。また、洗濯機の状態が良ければ、売値が付くこともあります。
デメリットは、単品処分の場合は料金が割高になる可能性があることと、悪徳業者が存在することです。家庭から出たごみの回収を依頼する場合は、産業廃棄物収集運搬業ではなく一般廃棄物収集運搬業の許可を受けた業者を探す必要があります。信頼性を重視するなら、自治体が紹介する一般廃棄物収集運搬業の許可を受けた業者を選びましょう。
洗濯機を無料で処分する方法
洗濯機が壊れていない状態であれば、無料で処分できるかもしれません。フリマアプリやネットオークションでの販売や、リサイクルショップでの買取におけるポイントや注意点を解説します。
フリマアプリ・ネットオークションで販売する
処分する予定の洗濯機が使用可能な状態であれば、フリマアプリやネットオークションを活用して、売却または無料で譲渡できます。リサイクル料金と収集運搬料金が不要になるだけでなく、洗濯機を売ることで収入が得られるかもしれません。
注意点は、フリマアプリやネットオークションの出品作業に時間と手間がかかることです。
洗濯機の状態について、説明文を記載したり写真を撮ったり、詳細な情報を提供しないとトラブルが発生する可能性があります。購入希望者との取引条件の確認や価格交渉などのコミュニケーションも大切です。
また、洗濯機の取り外しや運搬は自分で行うため、梱包の手間や配送料金についても確認が必要となります。
リサイクルショップで買取を依頼する
不要になった洗濯機をリサイクルショップに買い取ってもらう方法もあります。フリマアプリやネットオークションでの販売と同様に、リサイクル料金と収集運搬料金が不要となり、買い取りによる収入が得られます。
自分でリサイクルショップに洗濯機を持ち込むのが難しい場合は、出張による査定と買取サービスを提供しているお店を探しましょう。洗濯機の取り外しや運搬まで対応してくれるお店もあります。
注意点は、出張買取の場合、手数料や運搬費用が発生する可能性があることです。洗濯機が使用可能な状態であっても、購入から10年経過すると買取対象外となるケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
また、買取価格はリサイクルショップが決めるため、フリマアプリより安い価格となるかもしれません。お店によって買取価格が異なるため、複数のリサイクルショップでの見積もり依頼をおすすめします。
洗濯機を処分する際に注意したいポイント
洗濯機を処分する際に注意したいポイントは3点あります。
異物がないか確認し水抜き作業しておく
洗濯機の処分では、異物の確認と水抜き作業が重要です。洗濯槽内に衣類などが残っていると、リサイクルの障害となります。また、排水・給水ホースに水が残っていると、運搬時に水が漏れて床が濡れてしまうため、引き取りの前日に水抜き作業を行いましょう。水抜き作業は30分~1時間程度で完了します。
無認可の引き取り業者に依頼しない
無認可の引き取り業者に洗濯機の処分を依頼すると、回収した家電の一部を資源として売却したり、残りを不法投棄したりする可能性があります。また、法外な料金を請求されるなどのトラブルも多発しています。無認可の業者を避けるためには、以下の4点に注意が必要です。
- スピーカーで無料回収を宣伝する業者は避ける
- ホームページがない、または会社概要が不明確な業者は利用しない
- 口コミや評判を事前に確認する
- 複数業者から見積もりを取得し、料金を比較する
早めに引き取りの予約を行う
引っ越しなど期日が決まっている場合は、繁忙期の即日対応が難しいケースもあります。引っ越し業者だけでなく、洗濯機の処分も1ヶ月前までの予約をおすすめします。
まとめ
洗濯機の処分には、費用がかかる方法と、無料ですが手間がかかる方法があるため、自分に合った処分方法を見つけることが大切です。悪徳な業者による不適切な処分を避けるためにも、事前準備や早めの手続きをしっかり行い、安全で確実な洗濯機の処分を実現できるようになりましょう。
執筆年月日:2024年11月
※内容は2024年11月時点の情報です。法律や制度は改正する場合があります。