不用品の無料回収のチラシは危険?仕組みや優良業者の選び方を解説
ポストに無料回収のチラシが入っていたことはありませんか?「無料」という言葉に惹かれ依頼した結果、予期せぬトラブルが起こるかもしれません。
この記事では、ポストに無料回収のチラシを配る不用品回収業者の特徴を紹介するとともに、違法業者が儲ける仕組みやトラブル事例、優良業者の選び方などを解説します。
不用品の無料回収のチラシを配っている業者はどんな業者?
ポストに無料回収のチラシを配っている業者には、一般的に「知名度向上を目的とする業者」と「回収を目的とする業者」が存在します。
自社の知名度向上を目的としてポストに無料回収のチラシを配布している業者は、比較的安全性が高いと考えられます。知名度向上に加え、信頼感を得ることも目的としているため、チラシには会社名やホームページ、回収できないものの詳細や回収費用が明確に記載されているのが特徴です。
一方、回収を目的としている業者は、トラブルに発展する可能性が高いため注意が必要です。回収を目的としている業者が、すべてが悪徳業者とは限りません。しかし、回収した不用品を転売したり、「無料回収」と書きながら高額費用を請求したりなどで利益を得ている悪徳業者は存在します。回収を目的としている業者は、会社概要やサービス内容が明記されていない場合が多いため、十分に注意してください。
違法な不用品回収業者の儲けの仕組み
ポストに無料回収のチラシを配布している業者の中には、違法な方法で利益を得ている業者があります。どのようにして儲けているのか、その仕組みを解説します。
回収品の転売
違法な不用品回収業者は、転売できるものを無料で回収しています。たとえば、古いレコードプレイヤーや希少な年式のもの、使わなくなったゲーム機器や音響機器などです。
業者は、回収したものをインターネットのオークションサイトやフリマアプリなどで転売することで、利益を得ています。骨董品やジャンク品などあっても、価値があるものは転売できるため、無料で回収をしています。
有価物の回収・売却
有価物としての価値があるものは、スクラップとして売却が可能なため、無料で回収が行われます。主な有価物は以下です。
- 鉄くず、アルミ、非鉄金属スクラップなどの金属類
- 段ボール、新聞紙、雑誌などの古紙類
- ペットボトル、プラスチックなどの樹脂類
- パソコン、ワープロ
- 携帯電話、カメラ
- 音響機器(アンプ、大型スピーカーなど)
有価物は、買取施設に持ち込むだけで現金化できるため、無料回収をしても利益が出る仕組みになっています。
回収費用・手間賃での収益
不用品回収業者の中には、無料と宣伝しつつも、回収費用や手間賃で収益を得ている業者もいます。たとえば、運び出しの手数料や不当に高い人件費、出張費などを請求するケースです。キャンセルをした場合、キャンセル料を請求されることもあるため、依頼時には注意が必要です。
注意が必要な不用品回収業者とは
違法な業者に無料回収を依頼した場合、トラブルに巻き込まれるリスクがあります。トラブルを未然に防ぐためにも、注意が必要な不用品回収業者の特徴を確認しておきましょう。
会社の実態が特定できない
会社の実態が特定できない無料回収のチラシには注意が必要です。運営会社名やホームページのURL、固定電話番号、住所といった重要な情報が明記されていないチラシでは、業者の実態を確認することができません。そのような業者は、悪徳業者である可能性が高いと言えます。
携帯電話の番号のみが記載されている場合、トラブル発生時に連絡がとれなくなる恐れがあるため、利用は避けましょう。
無料で回収できる不用品が明記されていない
「無料で何でも回収」とうたう業者や「回収できないもの」の記載がない業者にも注意してください。優良業者は、回収できないものを明記していることが一般的です。チラシでは何でも無料で回収できるとうたいながら、回収時に追加料金がかかる場合があります。無料で回収できる不用品が明記されていない場合は、依頼前に必ず確認をしてください。
リサイクル家電も無料回収できると記載されている
「リサイクル家電を無料で回収」と記載がある場合も注意が必要です。エアコンやテレビといった家電リサイクル法の対象品は、原則として自治体では回収できません。リサイクル家電の回収・処理を行えるのは、許可を持つ業者のみです。リサイクル家電の回収は、環境への配慮から厳格な手続きが定められているため、無料で回収している業者に依頼する際は慎重な判断をしてください。
違法な不用品回収業者によるトラブル事例
ポストに無料回収のチラシを配るすべての業者が、問題を起こすわけではありません。しかし、違法な不用品回収業者に依頼した結果、トラブルに巻き込まれた報告は増加傾向にあります。ここでは、違法な不用品回収業者によるトラブル事例を紹介します。
依頼してみると無料ではなかった
違法な不用品回収業者によるトラブル事例として多いのが、「無料」と書かれたチラシを見て依頼したにもかかわらず、実際には料金を請求されるケースです。回収時に「無料では回収できない」や「追加費用がかかる」と告げられ、威圧感からやむを得ず支払ってしまう人は少なくありません。
「無料」と聞いて依頼したにもかかわらず、想定外の料金を請求された場合は、消費生活センターに連絡してください。相談員が交渉のアドバイスや解決策を提供してくれます。
キャンセルできない
見積もりとは異なる高額な料金を請求されたり、作業内容について納得できない提案があったりした場合は、依頼をキャンセルするべきです。しかし、悪質な業者はキャンセル依頼に応じないケースがあります。
キャンセルと申し出ると、「不用品をすべて下ろす」などと断りづらい状況を作り、高額なキャンセル料を請求される被害も発生しています。トラブルを避けるためにも、依頼時には作業内容や料金に加え、キャンセル料の有無も確認してください。
回収された不用品が不法投棄された
無料で回収してもらった不用品が、不法投棄されたトラブルもあります。警察から不法投棄について連絡があり、違法業者に依頼していたことに気づくケースも多いです。
不法投棄は違法です。違反した場合には、罰則が科せられます。不用品回収業者に依頼したという証拠がなければ、依頼者が責任を問われる可能性もあるため、十分に注意してください。
必要なものも無理やり回収された
予定していた不用品のみならず、処分予定のないものまで「処分した方が良い」と強引に勧められるケースもあります。依頼主が目を離した隙に、不用品以外のものを勝手に持ち去るトラブルも発生しています。
このようなトラブルを防ぐため、事前に処分するものを明確に伝え、作業中は必ず立ち会うことがおすすめです。身の危険を感じた場合には、警察に連絡してください。
優良な不用品回収業者の選び方
不用品回収は、信頼できる業者に依頼すべきです。ここからは、無料回収のチラシの中から、優良な不用品回収業者の選ぶ方法について解説します。
運営会社の情報を確認する
ポストに無料回収のチラシが入っていた場合、まずは運営会社の情報を確認しましょう。法人名がある業者は、連絡が途絶えるリスクが低く、信頼性が高い傾向にあります。
公式サイトがあるかどうかも、営業状態を確認する重要な要素です。公式サイトがある場合、経歴や実績の記載があるかを確認してください。そのほかにも、口コミサイトや評価サイトなども調べることもおすすめします。第三者の評価に目を通すことで、実際の評判を確認できます。
見積りを出してくれるかどうかを確認する
明確な見積りを出してくれるかどうかも、優良業者を見極めるポイントです。可能であれば、出張見積もりを無料で行っている業者に依頼し、具体的なプランや料金を確認するのがおすすめです。
不明点や追加料金の有無、適用外のケースについても確認することで、予期せぬトラブルを避けられます。料金は作業前に確定し、見積書は必ず書面で発行してもらいましょう。
許可証取得の有無を確認する
無料回収のチラシから依頼をする場合、家庭の不用品を回収できる「一般廃棄物収集運搬業許可」の取得をしている業者かを確認してください。不用品の買取や転売を依頼する場合は、「古物商許可」も必要です。ただし、古物商許可のみでは、家庭の不用品の回収は行えません。
不用品回収に必要な許可を取得しているかどうかは、業者の公式サイトや自治体のホームページなどで確認できます。許可証取得の有無を確認できない業者への依頼は避けましょう。
安心して利用できる無料回収方法
ポストに無料回収のチラシを配る業者の中には、違法な業者も存在するため、依頼する際には慎重な判断が必要です。安心して利用できる無料回収方法もあるため、事前に確認しておきましょう。
家電買い替え時の家電量販店の無料回収
多くの家電量販店では、家電製品を新しく購入する際に、古い製品を無料で回収するサービスが提供されています。冷蔵庫や洗濯機、テレビなどの家電リサイクル法対象製品の回収には、法律で定められたリサイクル料金がかかるものの、運搬料や手数料などは無料の場合が多いです。
回収した家電量販店が適切に処理をするため、安心して利用できます。サービス内容は家電量販店によって異なるため、事前に問い合わせてください。
メーカーの自社製品の無料回収
自社製品の回収を無料で行い、リサイクルやリユースを進めているメーカーもあります。メーカーによって回収された製品は、新しい製品としてリサイクルされたり、災害支援に役立てられたりします。不用品を適切に処分できるだけでなく、環境にやさしい取り組みにもつながる処分方法です。最寄りの店舗に、無料の回収ボックスが設置されているかを確認してみましょう。
自治体などの公的機関の無料回収OK
公的機関が行う不用品の無料回収は、信頼性が高く、安心して利用できるサービスです。多くの自治体では、不用品や特定の家庭ごみを、指定された日時や場所で無料回収しています。
大型の粗大ごみ回収には、処分費用がかかるケースが一般的ですが、業者に依頼するよりも安い費用で処分できる場合がほとんどです。自治体が運営するごみ処理施設に持ち込むと、無料で回収してもらえる場合もあります。
まとめ
ポストに無料回収のチラシを配る業者の中には、違法の業者が存在し、トラブルに巻き込まれる可能性があります。無料回収のチラシを鵜呑みにするのは危険です。運営会社情報や許可証の有無を確認し、信頼ができる企業や安心できるサービスに不用品回収を依頼しましょう。
執筆年月日:2024年11月