実家の片付けはいつはじめるべき？片付けの手順や進め方のコツも紹介
実家の片付けは、両親のためにもなるべく早く始めるのがおすすめです。後回しにしてしまうと、生活に支障が出たり、怪我をしたりすることがあります。あるいは、災害時に逃げ遅れてしまうといった最悪のケースを招く恐れもあるでしょう。
本記事では、実家に両親が住んでいる場合の片付けについて、いつ、どこから始めるのか、スムーズに片付けを進めるための手順についてお伝えします。また、実家の片付けをするメリットやデメリット、親と揉めないためのコツについて解説するとともに、専門業者の活用についてお伝えします。
実家の片付けはいつはじめるべき？
実家の片付けには、生前整理と遺品整理があり、それぞれタイミングが異なります。遺品整理とは、実家に住む家族が亡くなった後に、持ち物を整理することを指します。
一方、生前整理は、実家に住む家族が存命中に行う整理整頓のため、片付けを始めるタイミングは、家族の構成や両親の意志によって違いがあるでしょう。生前整理を始めるサインは、以下のケースが増えてきたタイミングです。
- 病院に行く機会や服用薬が増えた。
- 同じような物を買いだめしている。
- 廊下や玄関が片付けられなくなった。
上記のような変化が感じられたら、実家の片付けを始めるタイミングといえます。
実家の片付けをするメリット・デメリット
実家の片付けには、揉めごとがつきものです。家族といえども価値観は異なるため、一見、不要に感じる物が、相手にとってはとても大事な物であることも少なくありません。
そのため、捨てる・捨てないで揉めやすく、「なかなか片付けか進まない」と悩むこともあるでしょう。そういった理由で、実家の片付けを後回しにしている人もいるかもしれません。
しかし、実家の片付けにはメリットがあります。ここでは、実家の片付けをするメリットとデメリットについてお伝えします。
実家の片付けをするメリット
実家の片付けをするメリットには、以下のようなものがあります。
- 親子のコミュニケーションが増えて、絆が強まる
- 生活環境が整えられ、転倒や怪我などを防げる
- 物が管理しやすくなる
- 在宅介護を受けやすくする
- 遺産整理や相続の負担が減る
実家の片付けを通して、昔話に花が咲いたり、誤解が解けたりすることもあります。過去の出来事を親子で振り返ることで、絆が深まることもあるでしょう。
また、家のなかが整理整頓されることで、転倒や怪我を防げたり、物を管理しやすくなったりします。在宅介護を受けている場合は、スタッフの出入りがスムーズになるでしょう。
遺産整理が生前にできるため、相続発生時の負担が減るのもメリットです。
実家の片付けをするデメリット
実家の片付けをするデメリットには、以下のようなものがあります。
- 親子関係が悪くなる
- 物が少ないことにストレスを感じる
- 必要な物を捨ててしまう
- 不用品の廃棄にコストがかかる
- 時間や労力がかかる
実家の片付けで、必要な物を不用品と判断したり、大切な思い出の品を両親に確認せずに捨ててしまったりすることで、親子関係が悪くなってしまうことがあります。片付け後も実家で生活するのは両親のため、なるべく両親の意志を尊重することが大切です。
また、家具など大きな不用品の廃棄にコストがかかったり、想定以上に時間や労力が取られたりしてしまうのは、実家の片付けのデメリットといえるでしょう。
スムーズに進む実家の片付けの手順
実家の片付けをスムーズに進めるためには、しっかりと手順を決めるのがポイントです。また、片付けの期間を決めることも大切でしょう。ここでは、片付けを行う際の手順についてみていきましょう。
片付けを行うスケジュールを立てる
まずは、片付けを行うスケジュールを立てましょう。実家の片付けでは、部屋の順番や時期など、いつ、どこから始めるのか、具体的な目標と計画を立てるのがポイントです。実家の規模や荷物の量によって片付け期間は異なりますが、いずれにしても長期戦になることは覚悟しておいた方が良いかもしれません。
大切なのは、無理なく片付けられるスケジュールを立てることです。早く終わらせたいからと、過密スケジュールを立てると、計画倒れになってしまうかもしれません。家族でしっかり話し合って、スケジュールを立てましょう。
捨てる物と捨てない物の基準を作る
あらかじめ両親に、捨てる物と捨てない物の基準を決めてもらうことも大切です。片付けながら確認を行うと、その分時間がかかってしまいます。1年以上使用していない物や未使用のもらい物など、基準を決めておくことでスムーズに処分ができます。
例えば、レジャー用品や子どもが使っていた学習机、本棚などの家具類などは、使用していない場合が多いでしょう。明らかに捨てられそうな物を提示しながら、基準を決めていくのがポイントです。
基準が決まったら家族で共有しましょう。大切な物を間違って捨てないようにすることが、トラブルを避けるためには重要です。
不用品の処分方法を決定する
続いて、不用品の処分方法を決めましょう。捨てる物と残す物を分類したとしても、処分方法が決まっていないと、家のなかがごみ袋でいっぱいになってしまうかもしれません。かえって散らかっているように感じてしまうでしょう。部屋がスッキリした時の開放感や、片付けをやり遂げた達成感を味わうためにも、あらかじめ処分方法を決めておくことは大切です。
処分方法には、廃棄やリサイクル、ネットオークションでの販売などがあります。家具や家電など粗大ごみを処分する場合は、自治体の粗大ごみ収集サービスや廃棄物処理業者に前もって処分方法を確認すると良いでしょう。
片付けた後の過ごし方を親と話し合う
両親が、片付け後の過ごし方をイメージすることは、積極的に実家の片付けをするきっかけにつながります。整理整頓された部屋でゆっくりと過ごすなど、具体的な生活スタイルをイメージできるようにするのがおすすめです。片付けへの意欲を引き出すためにも、片付け後の過ごし方について両親と一緒に考えてみましょう。
実家の片付けについて親と揉めないためのコツ
実家の片付けで両親と揉めないためには、両親の意志を尊重し、許可なく物を捨てないことが挙げられます。また、物を捨てるのに慣れたころに、思い出の品の整理を行うのも、両親と揉めないコツです。
親が主導権を持って片付けられるようにする
実家の片付けでは、両親が主導権を持って取捨選択することが大切です。子どもの立場としては、さっさと不要な物を捨てたくなるかもしれませんが、両親のペースで進めるように心がけましょう。判断できない時に、助言をして廃棄を促すといったサポート側に回ることが、親と揉めないコツです。
また、両親の体力や健康状態に合わせて、無理なく進めることも重要です。両親が納得して片付けられるようサポートするということを意識しましょう。
勝手に物を捨てない
実家にある物は、すべて両親の持ち物となるため、勝手に捨てることは避けましょう。不要な物に見えても、両親にとっては大切な物かもしれません。大切な物を勝手に捨ててしまうと、高い確率で両親と揉めてしまいます。信頼関係を失い、コミュニケーションをとるのが難しくなる可能性もあるため、実家の片付けでは廃棄の確認を省かないようにしましょう。
思い出の品の整理は最後に行う
趣味の物や思い出の品などは、両親にとって廃棄しにくい物です。捨てるかどうかの判断に時間がかかりそうな物は、後回しにすると良いでしょう。時間をかけて考えることで、納得して判断できるようになります。また、片付けに慣れてくると判断が早くなるため、思い出の品についても作業が進みやすくなるでしょう。
実家の片付けはどこから始めるべき？
実家の片付けは、どこから始めるべきなのか、悩む人もいるのではないでしょうか。実家の片付けを始めるのに適した場所として、自分が住んでいたころの子ども部屋と避難経路となる場所が挙げられます。ここでは、この2ヶ所について詳しくお伝えします。
自分が住んでいたころの子ども部屋から始める
自分が住んでいたころの子ども部屋には、両親の物よりも子どもの物の方が多いのではないでしょうか。両親にとって思い出のある物が少ない傾向にあるため、子ども部屋は片付けへの抵抗が小さい場所です。
また、一緒に片付けることで、部屋がスッキリしていく様子を目の当たりにするため、片付けへのモチベーションが上がりやすくなる場所でもあります。ほかの部屋を片付けるきっかけにもなるため、実家の片付けをする際は子ども部屋から始めるのがおすすめです。
災害等の避難経路となる場所から片付ける
玄関や廊下など災害時の避難経路となる場所を片付けるのも、両親にとっては抵抗が少ないでしょう。「玄関や廊下に荷物を置いていると、もしもの時に逃げ遅れる可能性がある」と説明することで、すんなりと片付けを受け入れてくれるはずです。
また、玄関や廊下は、部屋よりも物が少ないため、短時間でスッキリと片付けられます。「見た目がきれいになる」「歩きやすくなる」といったことが実感しやすいため、ほかの部屋を片付けるモチベーションへとつながるでしょう。
実家の片付けの際は専門業者の利用もおすすめ
実家の片付けをしたいと思っても、住んでいる場所が離れていたり、仕事が忙しかったりすると、なかなか片付けを進められないでしょう。そういった場合は、専門業者を利用するのもおすすめです。
「量が多い」「ごみ屋敷になっている」「実家が遠方にある」といった場合には、廃棄物処理業者に依頼すると、確実に片付けられます。時間的、身体的負担も軽くなるため、実家の状況によって専門業者の活用を検討すると良いでしょう。
まとめ
実家の片付けは、両親に安全に暮らしてもらうために必要なことです。なるべく早めに実家の片付けを始めて、安心して生活できる環境を整えてあげましょう。
また、早めの片付けは、遺品整理や相続が発生した際の負担が軽減できます。実家の片付けが必要と感じたら、両親や家族がなるべく多く参加できるよう計画を立てて、全員で協力しながら進めていきましょう。
執筆年月日：2024年11月