リフォーム会社の種類と特徴

リフォーム会社には、それぞれ得意分野があります。水まわりに特化した会社や、外壁・屋根の塗装を専門とする業者、デザイン重視のリフォームが得意な会社、耐震改修に強い業者など、種類はさまざまです。ここでは、リフォーム会社の種類と特徴について簡単に解説します。

リフォーム専門会社

リフォーム専門会社は、リフォームに特化しているため豊富な知識と技術力を持ち、大小問わずさまざまな工事に対応できます。特に、各社が得意とする分野で高い完成度を期待できる点が魅力です。ただし、会社ごとに得意分野が異なるため、依頼内容に合った会社を選ぶことが重要です。

また、リフォーム業界は資格がなくても開業できるため、経験の浅い会社や、営業だけを行い工事を外注している業者も存在します。そのため、業者選びの際には、信頼性や実績を十分に確認し、複数の見積もりを取って比較することが重要です。特に、全面的なリフォームや専門性の高い工事を希望する場合は、リフォーム専門会社を選ぶことをおすすめします。

ハウスメーカー

大手ハウスメーカーのリフォームは、大規模工事を安心して任せられるメリットがあります。特に、元の家を建てたメーカーは構造を熟知しているため、信頼性が高いといえます。しかし、工事を下請け業者に依頼するため、費用は割高になるでしょう。全国展開するメーカーは広告費なども影響し、工務店より費用が高くなることも多いため、安心感とコストのバランスを考慮することが重要です。

設計事務所・建築家

設計事務所・建築家は、デザイン性を重視したリフォーム工事を得意としています。特に、間取り変更やデザインリノベーションに強く、デザインにこだわりたい方にぴったりです。

耐震、断熱、バリアフリーリフォームなどの大規模工事に対応しているだけでなく、キッチンや浴室のみの小規模リフォームに対応できる事務所もあります。ただし、設計デザイン料がかかるため、費用は比較的高めです。デザイン性やオリジナル性を重視する方に適しています。

工務店

工務店はリフォームのノウハウと技術力が豊富で、地域密着型の強さがあります。新築住宅の建築を行う工務店は、構造に精通しており、大規模リフォームも安心です。

地域密着型のため、広告費が少なく、ハウスメーカーより費用が抑えられる傾向があります。小規模リフォームは、職人に直接依頼することも可能です。建築を依頼した工務店にリフォームを相談すると、構造を理解しているため安心ですが、新築専門の工務店はリフォームを受け付けないこともあるため、事前に確認しましょう。

住宅設備メーカー

住宅設備メーカーは、自社製品を扱う工事店との強力なネットワークを持っています。特に、システムキッチンや高断熱窓など、希望する商品やメーカーが決まっている場合に便利です。

メーカー直営のリフォームサービスを利用すると、設備の設置や修理に関する専門知識が豊富で、迅速かつ適切な対応が期待できます。ただし、一般的なリフォーム会社よりも費用が高めになることがあるため、予算を考慮して選択することが大切です。

リフォーム会社の選び方のポイント

リフォームを効果的に行うためには、適切な業者を選ぶことが重要です。理想の住まいを実現するために、選び方のポイントをしっかり理解し、慎重に業者を選びましょう。

施工実績・事例・口コミがあるか

リフォーム会社を選ぶ際は、過去の施工実績や評判を確認することが重要です。また、業者ごとに得意分野が異なるため、キッチンやバスルームのリフォームを希望する場合は、その分野に強い業者を選びましょう。エネルギー効率向上などを重視する場合は、そうした専門知識を持つ会社を選ぶことで、リフォームの成功率が高まります。

公式サイトやオンラインレビューをチェックすることで、業者の信頼性や実績を確認できます。豊富な経験がある業者は、高品質な仕上がりや迅速な対応が期待できるため、リフォーム会社選びでは実績と経験を重視することが不可欠です。

要望に合わせた提案をしてくれるか

リフォーム会社を選ぶ際、顧客の要望に応じた提案をできるかどうかが重要です。業者がこちらの要望をしっかり聞き入れ、柔軟なプランを提示しているか確認しましょう。

チェックポイントとしては、要望の理解度、メリットとデメリットの説明、資材のカタログやサンプルの提示、ローコスト提案の有無などがあります。家庭によって優先事項は異なるため、適切な提案ができる業者を選ぶことで、満足度の高いリフォームが実現できます。実績や評判を確認し、業者の対応力を見極めることが大切です。

質問などに適切に回答してくれるか

リフォーム会社を選ぶ際に重要なポイントの一つは、質問にしっかり答えてくれるかどうかです。工事の進行や費用の内訳、使用する材料について、どんな小さな質問にも丁寧に対応する業者は信頼できます。

特に見積書の確認は重要です。金額や内容に不明点があれば、遠慮せず質問しましょう。業者が曖昧な返答をする場合は注意が必要です。見積もりの各項目を担当者と一緒に確認しながら進めることで、後々のトラブルを防ぐことができます。

担当者との相性の良さ

リフォーム会社を選ぶ際、担当者との相性も重要です。長期プロジェクトのため、相性が良いとコミュニケーションがスムーズになり、信頼関係を築きやすくなります。

担当者の発言や態度、約束が守られているかどうかも確認しましょう。特に、女性の場合は男性担当者に抵抗を感じることもあるため、サポートサービスを利用して女性担当者を手配することも可能です。初回の打ち合わせで担当者の雰囲気を確認し、相性を見極めることが大切です。

施工内容に関連する資格を持っているか

リフォーム会社選びでは、施工に関連する資格の有無を確認することも大切です。資格を持つ業者は、専門知識と技術を備えており、適切な施工が期待できます。

• 水回り:管工事施工管理技士
• お風呂･キッチン:メーカーライセンス
• リノベーション:建築業許可
• 断熱･耐震、増築:二級建築士
• バリアフリー:福祉住環境コーディネーター
• デザイン性:インテリアコーディネーター

※左側は施工内容、右側は関連する資格です。

また、建設業許可の有無やリフォーム協会への加盟状況も信頼性の判断基準になります。

第三者機関で審査が通っている会社かどうか

リフォーム会社を選ぶ際には、第三者機関での審査を通過しているかどうかも重要です。例えば、リフォーム会社を紹介するポータルサイトに掲載されている業者は、一定の審査基準をクリアした会社です。ポータルサイトは紹介の責任があるため、基準に満たない会社は紹介しません。そのため、これらのサイトを通じて紹介された会社は、安心して依頼できるリフォーム会社と考えられます。

見積もりの内容を丁寧に説明してくれるか

リフォーム会社を選ぶ際には、見積もりの内容を丁寧に説明してくれるかを確認しましょう。見積もり書には専門用語が多く、業者ごとに書き方が異なります。そのため、理解が難しい場合もありますが、詳細をしっかり説明してくれる業者だと信頼できます。

さらに、追加工事が発生する可能性や、その場合の費用について事前に説明してくれる業者であれば、予期しないトラブルを避けることができ、安心してリフォームを依頼できるでしょう。

保証サービスやアフターサービスが充実しているか

リフォーム後の不具合に迅速に対応できる業者を選ぶことも重要です。特に、リフォーム瑕疵保険がある業者は、工事の瑕疵や倒産時のリスクに対する保証があります。保証期間やアフターサービスの内容を確認し、トラブル時の対応策が明確であることもチェックしましょう。資材の取り扱いや工事中の事故によるリスクがあるため、しっかりと説明を受けておくことが必要です。

アフターサービスが充実している業者を選ぶことで、安心してリフォームを任せられます。

リフォームを成功させるための注意点

これまで業者選びのポイントについて詳しく解説してきましたが、具体的な注意点を理解しておくことで、満足のいく結果を得るための基盤が築けます。次に、リフォームを成功させるために押さえておくべき注意点を5つご紹介します。

目的や予算にあわせて業者を選ぶ

リフォーム会社を選ぶ際は、目的や予算を明確にすることが重要です。デザイン重視か機能性重視かを判断し、それに合った業者を探しましょう。事前に予算を設定し、複数の見積もりを比較することで、予算オーバーを防げます。

また、妥協できる点を整理しておくと、業者選びや見積もりを比較する際の判断がしやすくなります。目的と予算を明確にすることで、リフォームを成功させる基盤を築くことができるでしょう。

複数の業者から見積もりを取る

リフォーム会社選びでは、複数の見積もりを取ることも重要です。これにより、価格の相場を把握し、業者の対応や提案を比較できます。

異なるアドバイスを得ることで適したリフォームプランが見つかりやすく、サービスや保証内容の違いも確認できます。また、見積もりの比較は金額が適正かを判断し、交渉する材料にもなるでしょう。

契約書の内容をよく確認する

リフォーム会社選びでは、契約書の内容をしっかりと確認することも重要です。工事の範囲や使用材料、工期、費用について不明点があれば業者に質問し、追加費用や条件も確認しましょう。

内容を理解せずに契約するとトラブルになる可能性があります。工事の遅延や施工会社の倒産などを考慮し、契約内容をしっかり確認することで、安心してリフォームを進められます。

急いで契約しない

リフォームを成功させるためには、業者との契約を急がないことも重要です。業者に好条件を提示され、調査を怠ると、追加費用や不満が生じやすくなります。

信頼できる業者を見つけるには、複数の見積もりを取り、口コミを確認することが重要です。急いで契約するとトラブルのリスクが高まり、仕上がりの質が低下することもあります。

他社の見積もりも参考にし、交渉に応じない業者とは契約しない方が安心です。

グループでリフォーム業を行っている会社へ依頼する

リフォーム会社選びでは、グループでリフォーム業を行う会社への依頼もおすすめです。ハウスメーカーは、自社分譲マンションの間取り図や取扱説明書などのデータを保有しているため、設計や施工が正確かつスムーズに進められます。小規模業者ではカバーしきれない部分を補えるため、全体的なリフォーム成功率が向上し、物件価値の向上も期待できます。

まとめ

今回は失敗しないためのリフォーム会社の選び方を紹介しました。業者の実績や口コミを確認し、自分に合ったリフォーム会社や担当者を見つけることが成功の鍵です。

さまざまなリフォーム会社が存在し、ハウスメーカー、設計事務所、リフォーム専門会社、工務店など、それぞれに得意分野や費用が異なります。目的や予算に応じて、適切な業者を選ぶことが重要です。また、建築家やインテリアデザイナーなどの専門家に任せる方が安心できる場合も多いため、ぜひ考慮してみてください。

執筆年月日：2024年10月