畳をフローリングにリフォームする費用や方法は?注意点もまとめて解説

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畳をフローリングにリフォームする費用や方法は?注意点もまとめて解説

介護や育児などで生活スタイルが変化したとき、家の畳をフローリングにリフォームすることで、住まいの快適性や機能性を向上できる場合があります。

この記事では、畳をフローリングにする方法、費用、注意点などを詳しく解説します。畳をフローリングにして、家族が心地よく暮らせる健康的な住空間を手に入れてみてはいかがでしょうか。

畳をフローリングにする方法

畳をフローリングにする方法は、張り替え工法と重ね張り(上張り)工法の2種類があります。工法の違いやメリットデメリットを理解して、状況にあったものを選択しましょう。

張り替え工法

張り替え工法は、畳をすべてはがしてからフローリング材を床に張る方法のことです。きれいに仕上がりますが、作業工程が多いため、施工費用が高くなり施工期間も長くなります。初心者はDIYよりもリフォーム業者に依頼するのがおすすめです。

畳をはがしたときに下地の状態を確認できるため、シロアリや腐食などにより傷んでいる部分があれば補修できます。

張り替え工法のメリットは、敷居とフローリング材の段差がないことです。掃除しやすいだけでなくバリアフリー化を進められます。一方で、断熱効果のある畳をはがすため部屋が冷えやすく、防音性が下がるというデメリットがあります。

重ね張り(上張り)工法

重ね張り工法とは、畳をはがさずそのまま上からフローリング材を張る方法のことです。フローリング材を張る場合と、フローリング風素材を張る場合があります。市販のフローリング材を置くだけでリフォームできるため、張り替え工法より作業が簡単で最短1日で作業が完了し、費用も比較的安いです。DIYで畳をフローリングにする場合によく使われます。

重ね張り工法は床材が2重となるため、防音効果が高く、キズや汚れがあっても交換が簡単なことがメリットとしてあげられます。しかし、施工時に畳の下の状態を確認できない、畳とフローリング材の間に湿気がこもりやすいデメリットがあります。

畳をフローリングにするリフォームの費用

6畳和室をフローリングにする場合のリフォーム費用の目安は、張り替え工法が約10~25万円重ね張り工法が約5~10万円です。

リフォーム費用は業者によって異なるため、複数の業者に見積りを依頼して比較することをおすすめします。家の状態やフローリング材によって費用は変動するため、部屋の状態を確認してから見積りを作成してもらうとよいでしょう。

張り替え工法の場合、畳をはがした後の下地の状態によっては、修繕や補強のために追加費用がかかるかもしれません。防音材、断熱材などを追加する場合は見積り前に業者に伝えておきましょう。

フローリング素材の種類

フローリング素材は、無垢フローリングと複合フローリングの2種類があります。

無垢フローリングは、丸太から切り出した木材をそのまま板に加工した床材のことです。美しい木目や風合いにより人気があります。使用される木材は、オーク、ウォルナット、チークなどの広葉樹と、スギ、ヒノキ、マツなどの針葉樹の2種類があります。広葉樹は耐久性が高くキズがつきにくいのが特徴で、値段が高い傾向にあります。針葉樹は柔らかく踏み心地に優れていますが、キズがつきやすく汚れが残りやすいです。

複合フローリングは、合板の上に薄く削った木材を張り合わせて、表面に塩化ビニール製などのシートを貼った床材です。薄い木材を張り合わせており、デザインが豊富です。無垢フローリングよりも安価で、メンテナンスしやすいという特徴があります。

フローリング素材の見た目や質感は木の種類により異なります。実際の色や質感は写真ではわからないため、実物を見て決定しましょう。

天然木の温もりを感じたい場合は無垢フローリング、床材にこだわりが無い場合は複合フローリングがおすすめです。

フローリング風素材の種類

フローリング風素材は、木材ではなく塩化ビニール系の素材を使用しています。ウッドカーペット、クッションフロア、フロアタイルの3種類があり、ホームセンターなどで安く購入ができて、設置も比較的簡単です。

ウッドカーペット

ウッドカーペットは、布製のカーペットのように、床の上に敷いて使う木製のカーペットのことです。部屋の大きさに合わせてカットした後、部屋の端から隙間がないように敷いていきます。接着剤不要で簡単に設置できますが、湿気がこもりやすく、ダニ・カビ予防のため定期的な掃除が必要です。

クッションフロア

クッションフロアは、塩化ビニール系の素材でできたシート状の床材です。部屋の大きさに合わせてカットした後、接着剤で床に張り付けます。耐水性が高く掃除しやすいため、未就学児やペットがいるご家庭におすすめです。ただし、経年劣化によりクッションフロアがはがれたり浮いたりする可能性があります。

フロアタイル

フロアタイルは、塩化ビニール系の素材でできた長方形または正方形のタイルシートです。タイルシートを並べて接着剤で張り付けます。デザインが豊富で、耐水性・耐久性が高く、傷ついたシートのみ交換できるためメンテナンスが簡単です。ただし、クッション性・防音性がないため、マンションでのリフォームには不向きです。

畳をフローリングにするときの注意点

畳をフローリングにするときの注意点は3点あります。事前に対策を練らないと、フローリングにした後に悩みが出てくるかもしれません。快適に過ごすための対策や工夫を紹介します。

フローリングは部屋の湿度が高くなる

張り替え工法でも重ね張り工法でも、フローリングに施工後は部屋の湿度が高くなります。

張り替え工法の場合は、畳をはがすためい草による調湿機能が失われます。除湿機能のあるフローリング材への張り替えがおすすめです。

重ね張り工法の場合は、畳とフローリング材の間に湿気が溜まりやすくなります。定期的にフローリング材をはがすか、畳とフローリング材との間に除湿剤を設置することで対策が可能です。

フローリングは冷えを感じやすい

家の外から入ってきた冷気が床にたまると、フローリングが冷える原因となります。畳に含まれるい草は、空気をたくさん含んでおり保温効果が高いため、畳をフローリングにすると部屋の温度を保ちにくくなります。

冷え対策として、フローリングを張る前に断熱材や床暖房の導入を検討しましょう。断熱性の高いフローリング材や、カーペットやラグの使用もおすすめです。

マンションは施工前に防音対策が必要

張り替え工法で畳をフローリングにするときは、防音対策が必要です。畳は5cmの厚さがありますが、フローリング材が5cmより薄いと防音性が低下します。下の階に生活音や子どもの足音が響くと、クレームの元になるかもしれません。

マンションに住んでいる場合は、防音性の高いフローリング材の使用を検討しましょう。フローリングの上にカーペットやラグを敷くのもおすすめです。

重ね張り工法でDIYで畳をフローリングにする方法

比較的工法が簡単で、DIYにおすすめなのは重ね張り工法です。ここでは重ね張り工法を用いて、DIYで畳からフローリングにする方法をご紹介します。

必要な道具・材料

重ね張り工法で畳をフローリングにするには、以下の道具・材料が必要です。

  • フローリング材
  • 両面テープ、セロハンテープ
  • カッター、はさみ
  • 除湿シート、防虫シート
  • ズレ防止用のピン
  • 手袋、長袖の服

フローリング材はのこぎりでカットしますが、クッションフロアなどのフローリング風素材はカッターやはさみでカットできます。家が賃貸の場合は接着剤を使用せず両面テープでフローリングを固定してください。

施工の手順

具体的な手順を説明します。工程は多いですが難しい作業は特にありませんので順番に対応していきましょう。

【和室のサイズを測る】
まず、和室の正確なサイズを測ります。畳はメーカーや種類によってサイズが異なるため、畳の枚数ではなく、和室の壁から壁までの正確な距離を測りましょう例えば、畳の種類が江戸間だと4.5畳は261×261cm、団地間だと4.5畳は255×255cmとなります。

和室のサイズを測ってから、フローリング材を購入してください。

【和室を掃除する】
畳にフローリングを張る前に、丁寧に和室を掃除しましょう。畳の上に汚れが残っていると、ダニやカビが発生する可能性があります。また、両面テープがきれいに貼れず、フローリングがはがれてしまうかもしれません。掃除機で全体の汚れを取るだけでなく、ほうきを使用して畳の目のすきまからほこりを取り除きましょう。

【除湿シートや防虫シートなどを敷く】
フローリングを畳の上に張る前に、除湿シートや防虫シートなどを敷きましょう。湿気によるカビやダニの繁殖を抑えられます。除湿シートや防虫シートはホームセンターなどで購入可能です。ズレ防止用のピンも一緒に購入し、畳の上に固定するのがおすすめです。

【フローリング材をカットする】
測定した和室のサイズに合わせて、フローリング材をカッターで切ります。最初は10cmほど長くカットして、和室の床に合わせながら余分な部分をカットすると、畳の凸凹に合わせてきれいに仕上げられます。和室の壁に柱が出っ張っている場合は、フローリングを壁の凸凹に合わせてカットしましょう。

【クッションフロアをテープで貼り合わせる】
フローリング材をつなぎ合わせるときは、セロハンテープで裏側から貼り合わせます。継ぎ目部分は、木目など模様がずれないよう気を付けながら、数cm重ねて貼るとよいでしょう。

【両面テープを貼って敷いていく】
最後に、フローリングに両面テープを貼って敷いていきますフローリング材の四隅と、十字を切るようにして両面テープを貼ると、フローリングが真ん中で浮いたりせずきれいに重ね張りできます。

まとめ

家の畳をフローリングにリフォームする際は、方法や費用を比較するだけでなく、フローリング材の種類についての下調べも重要です。フローリング施工後に快適な暮らしを実現するため、家族に合った住空間をしっかりと検討してみてください。

執筆年月日:2024年10月

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