雨漏り修理の費用はいくら?修理方法や業者選定のポイントを紹介
屋根や外壁などからの雨漏りを見つけたら迅速な修理を行うことが大切です。軽度のものだからと放っておくと、被害が広がってしまう可能性もあります。
修理費用を抑えたい場合、DIYで安く直そうと考える人もいるかもしれませんが、自分での修理にはリスクも伴うため注意が必要です。
今回は雨漏り修理にかかる費用をご紹介し、DIYで修理するリスクや上手な業者の選び方を解説します。
雨漏り修理にかかる費用
修理にかかる費用は、どこに雨漏りがあるかによって異なるものです。雨漏りしている場所別に費用相場をご紹介します。
屋根の雨漏り修理費用
屋根の雨漏りの修理費用は、規模によって幅があります。簡単な補修で済むような小規模のものなら1〜30万円程度で修理が可能です。しかし広範囲で雨漏りがあると、100~200万円程度かかってしまう場合もあります。
屋根の工事は大きく分けて、屋根の一部を補修する「葺き直し」、現在の屋根に新しい屋根材を重ねる「カバー工法」、全体を新しいものに交換する「葺き替え工事」の3種類です。
屋根材が吹き飛ばされた、防水シートが破けているといった場合は、葺き替え工事をして屋根全体を修理する必要があるため、高額になるケースが多いでしょう。
外壁の雨漏り修理費用
外壁の工事は、コーキングと呼ばれる継ぎ目を補修する「コーキングの打ち直し」、現在の外壁に新しい外壁材を重ねる「カバー工法」、外壁全体を交換する「張り替え工事」などが挙げられます。
外壁の雨漏りの修理費用も規模によって金額が異なり、コーキングの劣化やひび割れによって雨水が漏れている場合は、50万円以下で済むことが多いようです。小規模の補修なら5〜10万円程度でできるものもあります。
外壁材の破損で張り替え工事をする必要があるケースでは、100〜300万円程度の修理費用がかかる場合もあります。外壁を大規模に工事する場合、足場を組んでの作業が必要になるため、高額な費用がかかりやすいのです。
天井の修理費用
雨漏りした場合の天井の修理には、天井の張り替え工事に20㎡あたり10万円程度かかります。下地の石膏ボードも腐食している場合は、交換の費用としてさらに5万円程度がかかります。
ただし天井の雨漏りは、屋根や外壁の劣化が原因となっている場合や、天井の上の配管にトラブルが発生している場合が多いものです。いずれにしても根本的な解決には、問題が生じている場所を修理する必要があります。天井以外の破損箇所にも修理費用がかかることは理解しておきましょう。雨漏りの原因特定や必要な工事を検討するには、雨漏り修理に詳しいリフォーム会社に相談して、アドバイスをもらうと安心です。
ベランダ(バルコニー)の修理費用
ベランダやバルコニーの雨漏りは、外壁との境目で発生している場合が多く、コーキングの補修工事などで対処します。かかる費用は3〜20万円程度が相場です。ただし、下地の劣化がある場合はベランダ全体のリフォームが必要となり、30万円ほどかかるケースもあります。
屋根や外壁などに比べて、ベランダのメンテナンスを行うことは少ないかもしれません。しかし、ベランダも経年劣化で雨漏りが発生しやすくなる箇所の1つのため、定期的な点検を行うと安心です。外壁塗装や屋根をリフォームする機会があれば、合わせてベランダリフォームを検討するのもおすすめです。
窓枠(サッシ枠)・天窓修理費用
窓枠(サッシ枠)や天窓からの雨漏りがある場合、多くはコーキングやパッキンの劣化が原因です。軽い補修なら5万円以下の費用で工事できる場合が多いでしょう。
窓枠や天窓にゴミが貯まっていることで、雨漏りしている場合もあります。天窓周辺の掃除は3~4万円程度が相場です。
窓枠自体に歪みなどがあり、交換する場合は5〜25万円程度かかります。さらに天窓の撤去や交換が必要であれば、20〜90万円程度になる場合もあるようです。天窓自体の価格は20~30万円程度ですが、足場を組んでの作業が必要となるため、工事費用は高額になりがちです。
窓枠や天窓自体に問題が見られない場合は、窓付近の外壁の劣化や、窓の上にある配管や換気口のトラブルが原因で発生している雨漏りもあります。どこに問題が起きているのか特定するために、まずは業者に状況の確認を依頼しましょう。
屋上(陸屋根)の修理費用
屋上(陸屋根)の雨漏りは、排水口の詰まりが原因の場合もあるため、まず確認してみるとよいでしょう。掃除の実施で改善する場合もありますが、排水口の補修が必要であれば8〜20万円程度かかります。
排水口に問題が無ければ、屋上の防水材が経年劣化している場合がほとんどです。防水材の修理費用は、一戸建てで屋上面積が50〜100㎡なら20〜100万円程度、ビルや集合住宅の屋上は、200㎡未満で100〜150万円程度が相場です。施行範囲が広い場合や長寿命の防水材を採用する場合、足場を組んでの工事になる場合は、より高額になります。
雨漏りの応急処置の方法
屋根などの雨漏りに気づいてから業者に修理してもらうまでの間、水の侵入があると不便を感じることも多いでしょう。やむを得ず自分で応急処置を行う場合は、ブルーシートの活用で一時的に雨漏りを防ぐ方法が一般的です。
応急処置に使うブルーシートは、ホームセンターなどで安価に販売されているもので十分です。ただし、大きめのものを用意しましょう。雨漏りしている箇所を特定するのは難しいため、広範囲にかぶせておくのがポイントです。
ブルーシートは風で飛ばされることの無いように、テープなどでしっかり固定します。土嚢袋で作ったおもりを置くことも有効ですが、細かい砂を入れると雨が降ったときに泥水となって流れ出てしまうため、砂利をいれるようにしましょう。
DIY修理の費用とリスク
雨漏りをDIYで修理すれば、費用を安く抑えられるのではないかと考える人もいるでしょう。しかし、応急処置を超えた範囲の修理は素人には難しく、事故やケガにつながるリスクが高いため、おすすめできません。
無理に自分で修理を行い、コーキングや釘の打ち方などが悪かった場合、別の場所からの雨漏りにつながる可能性があります。事態を悪化させてから業者に依頼すると、DIYで誤った処置をした部分も修復しなければならず、余計に高額な修理費用がかかってしまうでしょう。
また、雨漏りで漏電の危険が高まっている場合もあるため、気づかず作業をすると感電や火災といった大きな事故につながることがあります。また、屋根や天井などの補修は高所での作業となるため、慣れないと転落してしまう危険もあるでしょう。
無駄な出費を防ぎ、安全を確保するために、やはり自分で行う雨漏りの対処は応急処置程度に留め、速やかに業者の修理を受けることが賢明です。
雨漏り修理業者選びのポイント
雨漏りの修理を考えた時、どの業者に依頼するか悩む人は多いでしょう。不誠実な業者や悪徳業者に依頼してしまうことは防ぎたいものです。
また、雨漏りの原因がどこにあるかは、慣れていないと正確に判断できません。例えば天井から雨漏りしている場合、原因がある箇所は外壁や屋根、窓などさまざまな場所が考えられます。とりあえず天井の張り替えができる業者に頼めばよいだろうと依頼しても、原因になっている箇所の特定ができないと、その業者のみでは雨漏り修理を完了できない場合があるのです。
雨漏り修理はどこに依頼すればよいのか、上手な業者選びのポイントを紹介します。
雨漏りの箇所ごとに専門業者に依頼する
雨漏りしている場所によって必要な工事は異なるため、リフォームを取り扱っている業者の中でも、できる限り該当箇所に詳しい専門業者に依頼しましょう。適切な業者に依頼しなかった場合、相場よりも費用が高額になったり、根本的に雨漏りを直す修理を受けられなかったりという可能性があります。
専門業者を選んで依頼できるように、雨漏りを発見したら、まずはどの箇所から発生しているものかを見極めましょう。もし、自分で発生箇所を特定することが困難である場合は、付き合いのある工務店に相談するか、雨漏り修理の専門業者に調査を依頼するという方法がおすすめです。
相見積もりを取る
できる限り速やかに修理することがベストですが、天候が安定している時期など、修理までに余裕がある場合は、業者を比較して依頼先を決めることもおすすめです。複数の業者に現地調査を依頼し、相見積もりを取ってみましょう。見積書を見比べることで、修理金額が妥当か、工事内容に問題がないかなどを判断でき、信頼できる業者選びに役立ちます。
「雨漏り診断士」の資格を持った業者か確認する
雨漏りの原因を特定することは、一般的なリフォーム業者では難しい場合もあり、工事をしても雨漏りを止められなかったというケースも少なくありません。そのため、「雨漏り診断士」の資格を持つ診断士がいる業者を選べば、正確な判断をしてもらえておすすめです。
雨漏り診断士は「NPO法人 雨漏り診断士協会」が認定する資格で、規定の技能水準を満たしている人に与えられます。同協会は調査・研究に基づいた教育研修や講習会なども実施しており、雨漏り診断士に依頼すれば、雨漏りに合わせた適切な処置を検討してもらえるため安心です。
※「雨漏り診断士」は、NPO法人 雨漏り診断士協会の商標または登録商標です。
雨漏り修理の火災保険の適用条件
雨漏り修理には火災保険が適用されるケースもあり、修理費用の負担を軽減できる可能性があります。雨漏りの原因が強風や台風などの自然災害などである場合、適用条件を満たしていることが多いものです。
施工不良や経年劣化が原因である場合や、被災から年月が経っている場合は適応されないこともあるため注意が必要です。加入している保険会社などに確認してみるとよいでしょう。
定期的な点検と予防策
定期的に点検を行い雨漏りを予防することも大切です。天井にシミや劣化を見つけたら、屋根や外壁から雨漏りしていないか確認し、早めに補修しましょう。屋上やベランダは定期的に塗装・防水のリフォームを行うと安心です。窓周りのコーキングやパッキンも経年劣化してしまう前に補修しましょう。
まとめ
雨漏りは被害が大きくなる前に、迅速に修理することが重要です。DIY修理は悪化を招き、修理費用を高額にしてしまう恐れがあります。思わぬ事故につながるリスクもあるため、無理せず業者に依頼しましょう。
依頼先の見極めは相見積もりをとったり、資格を有する診断士のいる業者を選んだりすると安心です。信頼できる業者を見つけて、適切な修理をしてもらいましょう。
執筆年月日:2024年10月