【2024年版】外壁塗装の助成金・補助金|もらうための条件や申請方法を解説
住宅の外壁塗装工事には、助成金や補助金が支給される場合があります。ただし、すべての自治体で利用できるわけではありません。また、工事の目的によっても支給条件が異なります。
この記事では、外壁塗装に関する助成金・補助金について、2024年の新しい情報を調べる方法や申請方法・条件などを詳しく解説します。外壁塗装工事を検討している方や、費用を抑えたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
外壁塗装の助成金・補助金とは?
外壁塗装の助成金・補助金は、リフォームの一環である外壁塗装工事を支援する制度を指します。多くの自治体で助成金の対象となっているのは、住まいの保全以外にも、自治体や地域にとってもメリットがあるためです。
外壁塗装の助成金が対象の工事は、基本的に地元企業によって施工されます。そのため、地元企業の利益や雇用の拡大につながり、地域経済の活性化が期待できるのです。
さらに、環境配慮も重要な目的の一つです。断熱・遮熱効果をもつ外壁塗料は、消費電力やCO2の削減が期待できます。安定したエネルギー供給を促進するためにも、多くの自治体が助成金を用意しています。
助成金と補助金の違い
助成金と補助金は、国や自治体から支給されるお金であり、どちらも返済不要です。助成金は申請条件を満たせば受給されることが多い一方、補助金にはやや厳しい審査が設けられています。これは、補助金に予算の上限があるためです。
このことから、補助金よりも助成金のほうが受給のハードルが低いといえますが、外壁塗装の場合は助成金と補助金を厳密に区別する必要はありません。参考程度に捉えておきましょう。
外壁塗装に使える助成金・補助金制度
リフォームにおける外壁塗装工事には、防水機能の向上やひび割れの修復、美観の維持などの目的があります。ただし、外壁塗装に使える助成金・補助金制度は、すべての目的に対応するわけではありません。
ここでは、助成金・補助金の対象になる代表的な「省エネのためのリフォーム補助」と「一般的な住宅リフォーム資金助成」の2つについて解説します。
省エネのためのリフォーム補助
外壁塗装工事が省エネにつながると判断される場合、助成金や補助金が支給されるケースが多いです。断熱や遮熱効果の高い外壁塗料を使用すれば、エアコンなどの家庭で消費される電力が抑えられ、省エネに貢献できます。
ただし、助成金や補助金が対象となる塗料は自治体によって異なります。申請時には、見積書に品名を記載したり、カタログを提出したりする必要があるため、施工業者と事前に打ち合わせしておくと安心です。
一般的な住宅リフォーム資金助成
住宅全体をリフォームする場合でも、外壁塗装工事に助成金や補助金が支給されるケースがあります。対象となる外壁塗装を含むリフォームの例は、以下のとおりです。
- 耐震リフォーム
- 防音や防災を目的とするリフォーム
- 中古物件購入のためのリフォーム
- 同居のための二世帯住宅リフォーム
- 空き家リフォーム
こうした目的のリフォーム工事には、外壁塗装工事のみ、またはリフォーム全体の費用に対して、助成金や補助金が支給される可能性があります。
外壁塗装の助成金・補助金の最新情報を調べる方法
外壁塗装の助成金・補助金を検討する際は、新しい情報を確認しましょう。自治体によって、実施の有無や実施年度が異なるためです。ここでは、2024年の最新情報を調べる方法を4つ紹介します。
【外壁塗装の助成金・補助金の情報を調べる4つの方法】
- 住まいの市や区の公式サイトを確認する
- 支援制度検索サイトを利用する
- 市区役所の窓口に直接問い合せる
- リフォーム業者に相談する
住まいの市や区の公式サイトを確認する
自治体の公式サイトには多くの情報が掲載されており、随時更新されます。外壁塗装の助成金・補助金についても同様です。
お住まいの自治体の公式サイトで、「外壁塗装」「助成金」「リフォーム」「補助金」「方法」「問い合せ」などのキーワードを組み合わせて検索しましょう。自治体によっては、申請期間や実績報告期限などを調べることも可能です。
支援制度検索サイトを利用する
外壁塗装の助成金・補助金の新しい情報を調べるには、「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」を活用する方法もあります。お住まいの地域や支援方法などを選択すると検索結果がすぐに閲覧できるため、非常に便利です。
【外壁塗装の助成金・補助金を制度内容から検索する方法】
- 「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」を開く
- 支援分類で「省エネルギー化」を選択する
- 支援方法で「補助」を選択する
- お住まいの都道府県を選択し、検索をクリックする
以上の手順で、該当する助成金・補助金制度を確認できます。
市区役所の窓口に直接問い合せる
インターネットの利用が苦手な方は、市や区などの役所の窓口に直接問い合せてみましょう。外壁塗装の助成金・補助金の担当者は、さまざまなケースに対応した経験を持つ職員がほとんどです。そのため、相談内容に的確に応じてもらえることが期待できます。
リフォーム業者に相談する
外壁塗装を依頼する業者が決まっている方や検討中の方は、施工をお願いするリフォーム業者に助成金・補助金について相談してみるのも良いでしょう。業者によっては、制度に詳しい場合もあります。打ち合わせや見積りの段階で、「助成金を使いたい」「費用を抑えたい」などと伝え、気軽に相談してみてください。
リフォーム業者をインターネットで検索する際には、「お住まいの地域」と「外壁塗装工事」などのキーワードを掛け合わせることで、該当する業者が多数表示されます。ただし、助成金・補助金の対象を地元の業者に限定している自治体もあります。相談する施工業者が対象外となる可能性もあるため、注意が必要です。
外壁塗装で助成金や補助金を申し込む際の注意点
実際に助成金や補助金を申し込む際には、いくつかの注意点を把握する必要があります。「補助金がもらえる前提で計画していたのに受け取れなかった」という事態を避けるために、特に次の点を確認してください。
- 応募者が多いと早く締め切られる
- 工事着工前の申請が必要
- 税金の滞納がある場合は受けられない
ここでは、注意点を詳しく解説します。
応募者が多いと早く締め切られる
前述のとおり、補助金制度には予算が設けられています。応募者が多いとそれだけ早く予算に達するため、申請期間より前倒しで、申し込みを締め切るケースがほとんどです。また、対象者の決定方法は自治体によって異なり、先着順や抽選などの方式が取られています。
申請条件を確認する際には、予算の上限や申請期間、助成対象者の決定方法をしっかりと確認しておくことが重要です。
工事着工前の申請が必要
助成金や補助金の対象となるのは、ほとんどが着工前の外壁塗装工事です。そのため、申請も工事の着工前に行う必要があります。着工中や竣工後の工事は対象外となることが多く、後から申請しても受給できないケースがほとんどです。
また、着工前に申請しても、自治体の審査が終わるまでは工事を始められません。受給が確定してから着工するよう、施工業者にも伝えておきましょう。
税金の滞納がある場合は受けられない
外壁塗装工事に限らず、自治体の助成金や補助金を申請する際には、税金の滞納がないことが条件です。申請前に、以下の税金に納付漏れや滞納がないか確認しましょう。
- 国民健康保険税、介護保険料
- 自動車税、軽自動車税
- 固定資産税
- 住民税
その他の税金も含め、今一度確認しておくことが大切です。
外壁塗装の助成金や補助金を受け取る流れ
ここでは、外壁塗装の助成金や補助金を受け取る流れを詳しく解説するとともに、申請に必要な書類も紹介します。
【助成金や補助金の申請が可能か調べる】
前述のとおり、まずは自治体の公式サイトなどを利用して、新しい情報を確認しましょう。地元の施工業者に問い合せや相談をするのも有効な手段です。
【施工業者に外壁塗装工事の見積りを依頼する】
お住まいの地域で助成金制度があれば、施工業者に見積りを依頼します。申請には、見積書の提出が必要です。見積書の必須項目が設けられている場合は施工業者に内容を伝え、条件を満たす見積書を作成してもらいましょう。
【工事着工前に申請する】
前述のとおり、助成金や補助金の申請は工事着工前に行うのが一般的です。提出書類を不備のないよう準備し、提出しましょう。必要な書類については、後ほど解説します。自治体からの承認通知は、概ね2週間から1ヶ月ほどで届き、審査通過後に工事が開始となります。
【工事完了後に報告書を提出する】
外壁塗装工事が完工したら、必要書類を自治体に提出します。着工前や工事中の写真が必要な場合もあるため、施工業者に撮影を依頼するなどの対策をとり、忘れずに提出しましょう。ほかの書類の準備にも施工業者の協力が不可欠であるため、密に連絡を取り合うことが大切です。
【助成金を受け取る】
書類の提出後は、自治体による完了審査が行われます。書類の内容に不備がなければ審査通過となり、助成金が交付されます。受け取りまでの期間は約2週間から1ヶ月です。交付決定後に届く「交付確定通知書」に目を通し、助成金の金額や交付時期を確認しましょう。
申請に必要な書類
最後に、申請に必要な書類の一部を紹介します。あらかじめ把握しておくと、準備がスムーズに進むでしょう。
- 見積書
- 建物の平面図・見取り図
- 塗料のカタログ
- 施工前の建物の写真
- 納税証明書
- 施工業者との契約書
なお、見積書は3ヶ月以内のもので規格が明記されている必要があるなど、細かい条件を設けている場合もあります。提出書類は自治体ごとに異なるため、必ずお住まいの自治体に確認してください。
まとめ
外壁塗装に関する助成金や補助金について、受給条件や申請方法などを解説しました。外壁塗装は、省エネや耐震といった目的を満たすリフォーム工事として、制度の対象になることがあります。
重要なのは、工事の着工前に申請を行うことです。まずは自治体の公式サイトや支援制度検索サイトなどを利用して、お住まいの地域で対象の助成金・補助金があるかを確認しましょう。
また、地元の施工業者に相談するのも一つの方法です。申請条件や提出書類はさまざまありますが、施工業者と連携しながら、助成金や補助金を有効に活用してみてください。
執筆年月日:2024年11月
※内容は2024年11月時点の情報です。法律や制度は改正する場合があります。