給湯ボイラー故障の原因は?対処法や修理にかかる費用を解説

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給湯ボイラー故障の原因は?対処法や修理にかかる費用を解説

生活に欠かせない給湯ボイラーの急な故障は、寒い季節に起こると非常に厄介です。
お湯が出ないことは、家事や入浴に影響を及ぼし、家族全員にストレスがかかる可能性があります。
本記事では、給湯ボイラーの故障の原因や対処法、修理にかかる費用について詳しく解説します。

給湯ボイラーの主な種類と特徴

ひとことに給湯ボイラーといっても、実はさまざまな種類があり、意外と知られていないものもあります。薪を使用する給湯ボイラーや、太陽光ボイラーなどの珍しいものもありますが、主たるものは9割以上の家庭で使用されている、灯油・電気・ガス給湯ボイラーの3種類です。

この章では、3種類の給湯ボイラーと、それぞれの特徴についてご紹介します。

灯油給湯ボイラーの特徴

北海道や東北地方などの寒い地域では、灯油を使用する給湯ボイラーが広く使われています。灯油給湯ボイラーは、灯油を燃焼させて熱を発生させ、水を温める仕組みです。

灯油タイプは比較的値段が安く、コストパフォーマンスの良い給湯ボイラーです。ただし、燃料が切れるとボイラーが停止し、お湯の供給ができなくなるため、残量の定期的なチェックを必要とします。

電気給湯ボイラーの特徴

電気給湯ボイラーは、別名「電気温水器」と呼ばれ、電気の力でヒーターを温め、その熱でお湯を供給する仕組みの給湯ボイラーです。他のタイプと比較して動作音が小さく、燃焼系の機能を必要としないため、安全かつ環境に優しい給湯ボイラーである点が特徴です。

しかし、本体の値段が高いため、導入費用が高くなる点をデメリットに感じる人もいるかもしれません。

ガス給湯ボイラーの特徴

ガスを燃焼させて水を温める仕組みのガス給湯ボイラーは、マンションやアパートなどの集合住宅に多く設置されています。

灯油タイプのように燃料の残量を気にする必要がなく、手間が少ない点が特徴です。

初期費用は電気給湯ボイラーよりもリーズナブルですが、電気タイプよりも寿命が短いため、購入を検討する際は総合的に判断することをおすすめします。

給湯ボイラーの寿命はどれくらい?

給湯ボイラーは家の設備の中でも、買い替えの時期を判断しづらいアイテムのひとつではないでしょうか。

一般的に給湯器の寿命は7〜10年と言われています。

この年数を超えると、部品の経年劣化により不具合が出てくるかもしれません。

種類ごとに内部構造が異なるため、寿命も各種類でさまざまです。また、設置環境や使用頻度の影響も受けるため、厳しい条件下への設置や、高頻度で使用している場合は、寿命が短くなる傾向にあります。

すぐに修理業者を呼んだ方が良い場合

給湯ボイラーの不具合の状況によっては、すぐに修理業者を呼んだ方が良い場合があります。判断に迷う方は、ここでご紹介する症状を参考にしてみてください。

  • 水漏れ・油漏れ・異臭がある
    普段よりも灯油の臭いが強い、給湯ボイラー周辺が濡れている、明らかに液体が漏れている
  • 黒煙が出ている
    黒い煙が見られた場合
  • 異音がする
    爆発音、ほら貝や笛のような音が聞こえた場合
  • エラー表示が消えない
    取扱説明書に記載されている対処方法を試みても、エラー表示が消えない場合
  • 湯温が不安定である
    お湯の温度の変化が頻繁に見られる場合

上記の症状が見られた場合は使用者に危険が及ぶ可能性があります。すみやかに使用を中止し、修理業者に依頼をしてください。

給湯ボイラーの一般的なトラブルとその原因

給湯ボイラーの使用年数が長くなると、不具合やトラブルが発生することがあります。

ここでは、給湯ボイラーの一般的なトラブルとその原因についてご紹介します。

「もしかして不具合かもしれない」と感じた方は、最初に水の供給状況を確認した上で、原因を探ってみてください。

お湯が出ない

蛇口からお湯が出ず、水しか出てこなかった場合、給湯ボイラーの温度設定を確認してみましょう。灯油・ガスタイプの給湯ボイラーの場合は、燃料不足や、ガスが供給されていない可能性があります。ガスの供給は、ガスコンロが使えるかを確認することで判断が可能です。

給湯ボイラーの電源が入り、正しく設定されているにも関わらず、お湯が出ない場合は、給湯ボイラーそのものの不具合である可能性があるため、専門業者に相談してみましょう。

水圧が弱い

水圧が弱い場合、水が十分に温まらずお湯が出ないことがあります。

止水栓の問題か、吐水フィルターが詰まっていることが原因かもしれません。それらを調整し、十分な水圧で水が出るかを確認してみましょう。

水圧が改善されない場合は専門業者に点検に来てもらいましょう。

お湯がぬるい

お湯の温度を設定しているにも関わらず、お湯がぬるく感じる場合は、該当箇所のみの問題なのかを確認しましょう。例えば、キッチンでは湯温に問題はないが、浴室ではお湯がぬるいといった場合は、浴室の設定温度と止水栓の確認をしてください。

家中のお湯がぬるい場合はボイラー本体に不具合がある可能性があるため、専門業者に点検・修理の相談をしてみてください。

異臭がする

灯油タイプの給湯ボイラーを使用すると、多少の灯油臭さがあります。

いつもよりも強い灯油臭がする場合は、給湯器の故障により油が漏れていることがあります。

また、ガス臭が強い場合や、酸っぱい臭いがする場合も、ガス漏れや給湯ボイラーの異常の可能性が高いため、使用を中止してください。

異音がする

異音や爆発音は、バーナーや燃焼室内の不具合が原因であることが多く、放置しておくと非常に危険です。特に、大きな爆発音が聞こえた場合にはすみやかに使用を中止しましょう。

また、ほら貝や笛のような音が聞こえた場合も修理業者に点検を依頼しましょう。

給湯ボイラー関係で不具合が起こりやすい箇所

給湯ボイラーの不具合が発生した場合、次のような箇所にトラブルが見られることがあります。ぜひ参考にしてみてください。

基盤部分のトラブル

ボイラー内には日々、ほこりや汚れが蓄積します。

ほこりや汚れはボイラーの基盤がショートする原因になり、非常に危険です。

基盤部分のトラブルは、修理が難しいため基本的に交換対応となるケースが多いです。

基盤が故障していた場合、修理・交換費用は高額になる可能性が高いため、定期的なメンテナンスを心がけましょう。

配管や給水バルブ

給湯ボイラーには、外部・内部それぞれ配管が存在し、外部には給水用と給湯用、内部には冷たい水と過熱されたお湯が通る配管があります。この部分は、配管材料の劣化で水漏れが起こり、故障を引き起こす可能性があります。

また、配管の給水バルブは、水の流れを制御するためするための装置です。配管の劣化で水漏れが起きた際、この給水バルブを操作することで、一時的に水を止めることができる重要なパーツです。

これらに不具合が見られた場合は、なるべく早めに修理を依頼することをおすすめします。

リモコン

リモコンにトラブルが発生すると、給湯ボイラーの細かい操作ができなくなるため、非常に不便です。まずは家全体の通電状況を確認し、電源を入れ直してみましょう。

浴室など他の場所にも給湯ボイラーのリモコンがある場合は、そちらが正常に動作するかチェックします。片方のみが作動しなければ、該当の給湯器のリモコンの故障を疑います。リモコンの不具合の場合は、このような確認方法を実施できるため、給湯ボイラーの不具合の中でも、問題の特定がしやすい箇所です。

【エラー表示がでるとき】
何らかのエラーが起こった場合のエラー表示は、通常給湯ボイラー本体の表示パネルやリモコンに表示されます。

エラーコードは取扱説明書に記載されており、各コードに対する具体的な対処方法が示されています。表示されたエラーコードをメモしておき、取扱説明書の指示に従って適切な対処を行ってください。対処に不安がある場合や、対処方法を実施してもエラーが改善されなかった場合はメーカーや修理業者に連絡をしましょう。

給湯ボイラーの修理費用の目安

給湯ボイラーの修理費用の目安は約5,000~60,000円程度です。

特に、安全装置や電装系の不具合の場合は、修理費用が高額になる傾向にあります。修理箇所や部品代によって修理費用は異なるため、複数の修理業者に見積もり依頼をすると、修理前に費用を知ることができ、安心して修理依頼に臨めます。修理費にくわえて、出張費が加算されることもあるため、見積書の内訳を確認しておきましょう。

あくまでも上記は修理費用の目安です。小さなトラブルだと思っていたら、実は本体を交換しなければならないほどの不具合だったという可能性もあるため、事前に見積もりをとっておくことは非常に重要なポイントとなります。

給湯ボイラー修理業者の選び方のポイント

修理を初めて依頼する場合、業者の選定に困る方が多いのではないでしょうか。

ここで紹介するポイントを参考にして、ご自身に適した修理業者を見つけてください。

修理だけでなく交換も対応できるか

給湯ボイラーの修理業者を選定する際、修理に限らず、交換対応も可能な業者に依頼しましょう。

修理のみを実施している業者に依頼すると、給湯器が修理不能であった場合に、新しい機種の提案や見積もりを別の業者に依頼する必要があり、余分な手間と時間がかかるかもしれません。修理・交換いずれの対応もできる業者であれば、スムーズに給湯ボイラーのトラブルを解決することができるでしょう。

技術力と実績の確認

施工実績数の多さは、顧客からの信頼性の証明につながっています。高く評価されているからこそ、多くの依頼が寄せられていると言えます。さまざまなケースに対応した経験が豊富な業者であれば、安心して修理やメンテナンスを依頼できるでしょう。

保証とアフターサービスの重要性

給湯ボイラーの修理は、修理後も数年は使用を続けることを前提で依頼をしている人が多いでしょう。その上で、業者を選定する際は保証とアフターサービスが充実している点を重視することが重要です。修理後も安心して給湯ボイラーを使い続けるためにぜひ確認しておきましょう。

まとめ

毎日使用する給湯ボイラーは、定期的なメンテナンスで故障のリスクを減らすことが大切です。少しでも異常を感じたら、すぐに専門家に相談することで安全を確保できます。

安全を第一に考えて、適切に給湯ボイラーを活用しましょう。

執筆年月日:2024年10月

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